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49-7

「…………」

 魔法少女のみんなは、女神に対峙していた。


「…………」

 みんなセフィリアを取り返すために、ここまで来てくれたんだと思う。


「…………」

 だけど、誰も手を出さなかった。


「…………」

 浮いている女神ひなも、そんな魔法少女を見下ろしているだけだった。


「なあ、なんで攻めないんだ?」

「もう既にやってるわよ。巻き込まれたくないから見ているだけ」

「どういう事だよ」

 あたしには何かやってるようには見えないんだけども。

 別に火や氷を飛ばしているわけでもないし……。


「今、ミレーユとあいつが戦っている」

 ああ、そういうこと!

 時間操作しながら戦ってるから、あたしたちじゃ何もやってないように見えるだけね!


 …………。

 …………。

 んん?

 時間操作して戦ってる?


「面白い魔法使うね」

 あたしやエレナですら結局攻略できなかったミレーユの魔法。

 ほぼ必殺と言ってもいいくらいの力なのに、女神ひなは表情少しも変わってない。

 という事は、あの時間操作と対等に渡り歩いているって事……?


「……ふむ」

 おっ、ミレーユの姿が見えた。

 なんか難しそうな顔してる、どうしたんだろ。


「うぐっ!」

 ええええっ!!

 なんか突然肩を抱えて倒れたんだけど!!

 な、なに、どうしたのいったい。


「ひなとママの愛は時間の概念すら超える。だから効かないよ」

 正直何が起きたのかはまるで分からないけども、あの無敵の魔法を使えるミレーユですら、女神ひなには通じないって事だよね?


「ミレーユさんですら駄目とか……」

「どうすれば勝てるんだ……?」

 まずい、他の魔法少女の人の戦意が落ちてきている。

 そりゃあミレーユが勝てない相手をどうにかしろなんて無理なのは分かるけども……。


「さあ、みんなもひなとセフィリアママとの愛を見守ろう? 究極の百合を一緒に守ろう?」

「百合……、聖百合教と同じなのか?」

「だったら、そもそも攻める必要はないのかしら」

 ちょ、ちょっと!

 なんだか納得しだす人も出てきたよ!

 そりゃあ大好きなふたりがひとつになるって、ある意味究極かもしれないけども……。


 そんな敗戦ムードになりつつある中。


「はい。おしまい」

 リゼットはそう言うと、手をひとつだけ叩いて音を鳴らした。


「ほら、行くわよ」

「で、ですがリゼットさん。相手はミレーユさんですら敵わない相手ですよ」

「百合なら、むしろ共存する方が……」

「そういう問題じゃなくて、セフィリアを取り返すのが目的だよね? それに、まだミレーユひとりだけしか攻めてないじゃない。全員で行くわよ」

 みんなの顔つきが少しだけ変わったような気がする。

 リゼットのその言葉で、どうにか戦意を維持する事が出来たみたい。


 よし。

 あたしも少しは回復出来た。

 これで戦いに参加出来る!

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