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もうおしまい……?
うぅっ!
だれか……!!
あたしはぐっと目を閉じた。
…………。
…………。
…………。
…………。
……ん。
あたし、もしかして生きてる?
刺されたところの痛みも消えてるし、なんか気持ち楽になったかも?
天国に行っちゃったとか、そんな感じでもなさそうし、どうしたんだろ?
そう思いつつ、あたしは恐る恐る目を開いていくと……。
「間に合ってよかったです><」
目の前には、白いワンピースに赤い十字の刺繍がされたエプロンがセットになった魔法少女の衣装を着た少女が居た。
「ハルフリーダ……ちゃん?」
このナースっぽい服装に、元気な雰囲気。
間違いない、ハルちゃんだ!
「お久しぶりです、ゆきさん(*_ _)」
そっか、ハルちゃんが幻影の魔法を使ってひなの注意を逸らしつつ、あたしを治療してくれたわけだね。
ひなはあたしを攻撃したのに生きてるから、なんか困惑している様子だし。
むむっ、って事は。
「た、たすかったよ~! ありがとう!」
「いえいえっ!」
九死に一生を得るって、まさにこの事だよね!!
本当にありがとう!!
「まさか最初に来るのがハルちゃんだったなんてなぁ」
MA学園が崩れて誰か来るかなって思ってたのはあったけども、最初に来たのがハルちゃんってのが本当に運がいい。
「私以外にも居ますよ♪」
うん?
ハルちゃん以外?
「教祖様……」
「ブランディちゃん!」
なんと!
今まで何も言わなかったから気づかなかったけども、世話係のブランディちゃんもいる!
相変わらずぬいぐるみ抱えて、恥ずかしそうにこっち見てるや。
「無事で……良かったです」
「助けに来てくれたんだね。ありがとう」
「///」
しかもお礼を言ったら、顔をぬいぐるみで隠しちゃった!
やっぱかわいいなぁ、こんなやばい時でもほっこりしちゃうよね。
「どうやら、ぎりぎり間に合ったようですね」
「ミカエル! みんな……!」
おお!
魔法少女がいっぱいいる……!
もしかして、みんなあたしを助けに来たって事なの……?
「さあみなさん。ゆきさんとエレナさんの治療をお願いします! その間、戦える方はあの女神を引き付けておいてください!」
「エレナさん、今すぐ治療しますからね」
「わりぃな」
あたしの治療が終わったハルちゃんは、すかさずエレナの治療に取り掛かる。
ハルちゃんは手をかざすと、たちまちエレナの顔色が良くなっていった。
回復専門の魔法少女だから、エレナもこれできっと良くなる。
女神ひなは圧倒的だけども、とりあえず不安だった事はひとつ消えたかな。
…………。
…………。
うん?
あれ?
なんでハルちゃん、エレナの事知ってるんだろ。
学園長の魔法でエレナの存在は無かった事にされてたはずだし、街に入った時だって誰も知らなかったのに?
ミカエルがここに来る道中で説明したのかな?




