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49-2

 眩しい!

 急に何なの!


 うぅ、すごい光。

 まるで針みたいに刺してくる……。


 …………。

 …………。


 おや?

 あれだけ強い光がおさまっていく?

 これで見えるように……。


「えっ……」

 な、なにこれ。


 空飛んでいたひなの姿が……変わってる!?

 今まで全裸だったのに、なんか真っ白なドレス着ていて、背中に羽が生えていて、髪も足先まで長くなっていてまるで女神様みたい。


 うーん。

 綺麗かも……。

 って!

 感動している場合じゃない!


「な、なんなのその姿……」

「これはママを愛する気持ちの結晶だよ」

 つまり、百合百合した結果って事……?

 ほおほお、百合の女神ってわけだね?

 うーん、分かるかもしれない。

 確かに胸元に百合の紋章ついてるからなぁ。


 いやいや、共感してどうする。

 セフィリアを取り返さないと!


「はあ、ママとひとつになるのって、なんて気持ちいいんだろう」

 ひいっ、また自分で自分を抱きしめてるよ……。

 しかも今度は頬まで赤らめさせながら悶えているし。


「ねえ、ゆき」

「なに!」

「こんな素晴らしいのを、みんなにも分け与えないとだよね?」

「……あたしも百合は好きだよ。エレナの事だって好き。ううん、今まで出会った女の子みんな好き」

「分かってくれるんだね! じゃあ……」

「でも! 人に押しつけるのは良くないよ」

「…………」

「それに、ごく平凡な日常の中に百合があるからいいんであって、百合な世界に百合があってもそれは違うんだよ」

「分からない……。意味が分からない……」

 あたしだけのこだわりなのかもしれない。

 本来なら、理解できるような趣味じゃないのも分かってるよ。


「結局、分かり合えないんだね」

「……うん」

 それに、セフィリアを返してもらわないといけない。

 だからもう、やる事はただひとつ。


「……殺しはしないよ。あなたはこれからも百合教祖として、ひなを崇め続けるの」

 女神になったひなはそう言うと、何もない所から白ピンク色に輝く剣を生成して、切っ先をこちらへ向けた。


「セフィリア待っててね。必ずあなたを取り返してみせるから」

 あたしも負けじと、勇者の剣を出して同じようにひなへ切っ先を向けた。


 女神と教祖の、お互いの百合をかけた最終決戦が始まろうとしていた。

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