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49-1

 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


 う、うぅ……。

 ここ……どこだろ……。


 あたしはくらくらする頭を抱えつつ、ゆっくりと立ち上がっていく。

 そしてあたりを見回し……。


「えっ、な、なにこれ!」

 周りが崩れた石壁だらけ!

 どうなっちゃったの。

 そして、どこなのここ……。


 ってかここってもしかして、MA学園!

 何で崩れちゃってるの?


 うーん、思い出せ。

 確かセフィリア救出のために学園の地下へ行って、セフィリアを説得した。

 作戦は成功したけども、エレナがやられて、ひなとセフィリアがレズバーストして……。


 あっ!

 エレナはどこなの!

 まさか……、この瓦礫の中に……?


「お、おーい」

「エレナ!」

 近くの瓦礫の中から……。

 もしかして!


 あたしは声のする方にあった瓦礫をどかしていく。

 するとそこには、横たわっていたエレナが居た。


「いてて、辛うじて結界はって助かったぜ……」

「よ、よかった……。意識失ってたからもうてっきり……」

「別に死んだわけじゃない、ちょっと目を閉じてただけだからな」

 そ、そうなのね。

 この際なんでもいいから無事で良かったよ。

 本当に……。


「だが、俺はまだ動けそうにないな。いてて……」

「う、うん。すぐに助け呼ぶからね」

 MA学園なら、助けを呼べば教徒の人だって魔法少女だって来てくれる。

 というか、学園が崩れたなら誰か来てもおかしくない。


 そうだ!

 セフィリアは!

 セフィリアは無事なの?


「そういえば、セフィリアは?」

「あそこを見ろ」

 エレナが全然関係ない空の方を指さしている。

 えっ、なに、セフィリアが飛んでいるとでもいうの?

 もー、こんな非常時に!


 そう思いつつも、あたしはそちらを振り向くと……。


「な、なにあれ……」

 そこには、セフィリアが居た……んだけども。

 う、うそ、何も着ていない!

 いやん恥ずかしい///


 で、でも……。

 さっきまで魔法少女の衣装着てたよね?

 なんで裸なの。


 というか、浮いてるじゃん!

 なに、なんなの。

 全裸で浮いてるとか理解不能だよ!


「…………」

 全裸のセフィリアは、自分の手や体を見ている。

 しかも浮いたままで。


「……ふふ、ママとひとつになった」

 ひいっ、なんかつぶやいたら自分で自分を抱きしめているよ!

 ナルシストなの……?


 って、ちょっと待った!

 ママとひとつって、もしかしてひなとセフィリアが合体しちゃったって事……?

 それじゃあもう、セフィリアは戻ってこない……?

 そんなの駄目だよ!

 どうにかしないと……!


 そう思ったあたしは、エレナを何度か見た後に立ち上がり、空中に浮いたままのセフィリアを見つめた。


「……その顔、まだひなと戦うの?」

「出来れば戦いたくはないかな。セフィリアを返して欲しいだけだよ」

「ママはひなのものだ! 誰にも渡さない!!」

「セフィリアは誰のものでもないから!」

 やっぱりそうなるんだね……。

 ええい、もうこうなったらとことんやってやる!

 あたしだって諦めてたまるか!

 あたしとエレナとセフィリアで……、無事に帰るんだ!


深淵と天上にまで(アクセプト・オブ・グ)届く永久の親愛(ランディオスラヴァー)

 ひなは浮いたままそうつぶやく。

 すると、ひなの体は白く輝きだし、目が眩んだあたしは思わず手で隠した。

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