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聖百合教本部、エントランスにて。
「セフィリア様ですか? いえ、見ておりませんが……」
「自分の部屋にも居なかった?」
「はい。先ほど掃除しましたが誰もいませんでした」
あ、あれ?
予想が外れた。
あたしの部屋から出て行って、てっきり自分の部屋に行ったんだと思ってた……。
「どこに行ったんだろう?」
「学園の執務室か? 確か新しい学園長になったんだろ?」
「なるほどー、じゃあそっち行ってみよう」
そっか、今じゃ学園長になったんだっけか。
というわけで、あたしとエレナはMA学園へと向かった。
MA学園内、学園長の執務室にて。
あたしたちは部屋に到着した……んだけども。
「居なさそうだな」
「うん」
ここにも居ない。
どこに行っちゃったんだろ。
「奥も見てみるか」
「そうだね」
そんなわけで、あたしたちは執務室の奥の部屋へと入っていった。
「やっぱ居ないな」
けども、誰も居ない。
「うーん、別のところかな」
ここにも居ないって事は……、他に学園長が行きそうな場所はー。
どこだろう?
「ん。この魔法力の流れ……」
「どうしたの?」
あれ、エレナが何か本棚の方へ……。
「ふむ。こうか?」
そして、しまってあった本を出したりしまったりしてる。
何やってるんだろ。
って、な、なにこれ!
本棚が扉のように開いていくよ!!
こ、こんな仕掛けがあったなんて……。
「なーるほどな」
「エレナ、よく分かったね」
「アルの記憶だな。前にここへ来た事あるだろ?」
「あー、そう言われれば。行方不明だった学園長を探すのにこの部屋入ったような、まあそのあと見つかったんだけども」
そういえばそんな事もあったよね。
なるほど、その時の記憶ってわけかぁ。
……ん?
あの時って、エレナはひなに囚われていたよね?
どうして記憶を引き継いでいるんだろう?
えっと、エレナの体にアルの魂が入ってるから、エレナとアルの記憶が共有されていて……。
それで、ひなとエレナの魂を共有した後に、あたしがエレナの肉体に百合バーストしたから……。
うーん、わかんないね!
「意外と近いかもな。入ってみるぞ」
「うん」
ともかく、この先に居るかもしれない。
ううん、居そうな感じがする!
待ってて、セフィリア。




