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「ねえエレナ。百合バーストってそもそも何なの?」
あたしを今まで助けてくれた魔法。
キスした相手の魔法力を大幅にパワーアップさせてくれると思ってたけど。
闇に関係するって、他にも何かあるの?
「百合バーストの原理は、口づけを交わして互いの人格情報や魔法力、まあ魂というべきか。それをやり取りする」
「う、うん」
なんだかすごい事言ってるけど。
……で、それが何?って感じで、つまり分からん。
「魂のやり取りを互いに行い、共有させる事で化学反応を引き起こす。魔法力の強化もその結果のひとつだな」
「う、うん。それで、それが闇と何か関係でも……?」
「ひなの中にある百合の心が完全に消えたわけじゃない。だから他の仲間とも仲が良かったし、両性具有の魔王という歪な存在へ心奪われた」
「うん」
「で、ゆきはあの時、ひなが宿った俺に対して百合バーストをしただろ?」
「そうだね」
「そこで3人の魂が交わった結果、ひなに残されていた百合の心の力が増幅された」
「う、うーん?」
「世界は百合の風潮が強かった。多くの人々の思いは百合と共にあったし、百合を望んだ」
ぶっちゃけ、何言ってるのエレナって状態だよ。
これがファンタジー……なの?
「その結果、世界を元に戻そうとする闇の力は、世界を百合に改変させる光へ転じた」
「ねえエレナ」
「なんだ?」
「……本気だよね?」
「ああ。なんだよ疑ってるのか?」
「そんな事ないけどもー」
「ゆきさん、今は真面目な話の途中ですよ」
一応念のために確認したけど、エレナもミカエルも真剣だった。
うぅ、百合好きのあたしがついていけてないっ!
呆れているよりも、なんか悔しい。
「ご、ごめん、話続けて」
「その後、ソフィアが世界を変える魔法を発動したってわけだ」
「じゃあセフィリアは!」
「……あいつはもうセフィリアじゃない。見た目や立ち振る舞いは昔のままかもしれないが、魂は紛れもなくソフィアだ」
うーん、やっぱり。
ミカエルの話だと、新たな学園長になったって言う話だし。
でも、いつからだろ……。
セフィリアと学園長がふたりきりでこっそり会ってたのかな?
あれだけ警戒してたのに、それでも会ってたなんて。
今でも信じがたいというか……、なんというか。
あれ?
じゃあなんであたしと結婚しようとしたんだろ?
ひなじゃないよ?
それとも、ただ単純に百合だから?




