表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
380/420

44-11

 あたしが理解出来なかった本の内容を読んでくれた……のはいいけども。


「で、これってどういう意味なの?」

 うん、さっぱりわからない。

 なんか意味深な内容なのは、分からなくもないんだけど……。


「そこは安心してください。わたくしも理解できません」

 ミカエルにも分からない!

 だったら、あたしが分かるわけないよね!

 また冷ややかな目で見られると思ったから、ちょっとほっとしたよ。


「ですが、ひとつ分かった点があります」

 えっ、何がだろう。

 意味分からないのに、何に気づいたの……?


「今読み上げたこのページだけ、文章の頭が繋がっているのですよ」

 んん?

 それって……。


「文章の頭を繋げて読むと、”思い出を忘れるな”になります」

 まさかの縦読み……?

 そんな仕掛けがあったなんて。

 てか、それは聞くだけじゃ分からないよね……。


「ですが、その言葉が何の意味を成しているのかは分かりません」

「うーん」

 そうだよね。

 思い出を忘れるなって言われてもなぁ。

 たまたま文章になっただけって可能性もあるし。


「ここだけ文章の感じが不自然なので、意図して隠したとも思えますが……」

 意図したと言われてもなぁ。

 思い出を忘れるな……ねぇ。


「ゆきさんは、何か心当たりがありますか?」

 心当たりと言われても。

 何がいいたいのかまるでさっぱり。


「この場所で、何か印象深い出来事とか……」

 アルの家で起きた出来事で、あたしに関わってくるのって。

 うーん、勇者の伝説の真実とか、あとは……。


 あー!

 あるよ!!


「初めてここに来た時、クエストで道具を貰いに来たんだ!」

 そうだよ!

 あたしが魔法少女になってまだ間もない時、学園長から3つ道具を集めてこいって言われて、その中でやたら高価な物があって、それを分けて貰うために来たんだよ!


「確かここにあったような……」

 そう言うと、あたしは家の中の引き出しを探した。


「あった! これだよこれこれ!」

 今でもあった!

 いやあ、なつかしいなぁ。


「赤熱蝙蝠蛾の鱗粉ですね。かなり貴重な品物と聞きます」

「それそれ、売ってても高くってねえ」

 あの時は本当、助かったよなあ。

 感謝してもしきれないよー。


 で……。

 これと隠されたメッセージと何の関係があるんだろ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ