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44-1

ミカエル視点。

 ゆきさんの発言がきっかけで始まった、大規模闇掃討戦。

 それからしばらくの時が流れ……。


「ミカエル様」

「なんでしょうか? ウィーンさん」

「本日のスケジュールですが、昼食後に園遊会、その後に親衛隊の打ち合わせがあります」

「分かりました。準備をお願いします」

「かしこまりました」

 いつも通りの日々。

 他貴族との親交を深めつつ、魔法少女としての政務に励む。


 …………。

 …………。

 ですが……。


「ウィーンさん」

「何でしょうか」

「わたくしは最近ふと思うのです」

「……何をでしょう?」

「何かがおかしいと思うのです」

 大規模闇掃討戦の後。

 世界を覆いつくそうとしていた闇は消え、生還してきたゆきさんとセフィリアさんはこの国の英雄となりました。

 元々話題に絶えないおふたりでしたが、民はより一層過熱した様子でふたりを称え、祭り上げ、戦のあともしばらくの間は祝宴が続きました。


 …………。

 …………。


「闇が晴れ、祝宴が続いておりました。きっとそれでお疲れなのですね。本日の予定はキャンセルの連絡を出しますので、お休みを取って下さい」

「……ありがとうございます」

「では、失礼します」

 わたくしも同じ卒業生として、少なからず縁がありましたので、宴への参加をしました。

 ウィーンさんの言う通り、連日連夜の祭事で疲れているのかもしれません。


 …………。

 …………。


 ですが、それでも何かがおかしいと感じしてしまうのです。

 何かが変わっているような、何かが足らない、忘れているような。

 思い出そうとしても思い出せない。


「…………」

 考えすぎ……かもしれませんね。

 世界は平和になった。

 もう闇に怯える事もない。

 そんな日々が来たというのに。


 …………。

 …………。


 そう、考えすぎ。

 わたくしの思い違い。


 …………。

 …………。


「はぁ、我ながらいけませんね……」

 思い違いならそれでいい。

 わたくしの勘違いで済むのだから。


 でも、もしも。

 この違和感が本物なら……。


 そう思うとわたくしは、漠然とMA学園の資料室へ向かった。

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