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今はセフィリアの作戦にかけるしかない!
だからあたしは意を決してエレナへと向かっていった。
「そうはさせねえよ」
んんっ!
地面から……、なにこれ蔓……?
「きゃあっ!」
しまった!
つかまっちゃった……。
うぐぐ、動けない……。
「百合バーストで俺から闇を引きはがすつもりだったんだろ」
セフィリアの作戦。
それは、闇とひなとエレナがひとつになっているならば、闇を払う事が出来る百合バーストの力を使って引きはがしてエレナを救出するって内容だ。
それとなく近づいたはずなのに、こうもあっけなくばれるなんて!
いやまあ、散々やってきてるからばればれなのかもだけども……。
「うう……」
ともかく、この蔓から抜け出さないと……。
でも、動かない。
どうしよう……。
!!!
締め付けが強くなってきて!!
「うあああ!!!」
い、いたいっ!
いたいよお!
やめてエレナ!!
おねがいだから!!
「…………」
ねえ、あなたのおよめさんがくるしんでるんだよ?
なんでそんな冷たい目で見てるの?
どうしてそこまで冷静なの?
「さようならだ」
い、いやあ。
このままじゃ、ぜんぶおわっちゃう!!!
「カース・バインド!」
ん?
この声……。
あたしは、声のした方を振り向くと……。
「セフィリア!」
今まで構えたままだったセフィリアが、こちらに手を伸ばしている。
そこから出てるのは……、黒緑色の帯状の光?
あっ!
おもいだした!!
これって、ソフィア学園長がひなや魔王を倒した時に使った魔法!
うそ、どうしてセフィリアがそれを……?
「お、おい。その魔法……」
アルだって驚いている。
そりゃあそうだよ、勇者パーティにとって特別な魔法だもの。
「回復専門の魔法少女だから攻撃が出来ないなんて思いましたか?」
帯状の光はエレナの方へと向かっていく!
このままいけば、かつてのひなと魔王と同じ様になっちゃう……?
そう思った時。
「もうその手は通じねえよ」
エレナが帯状の光の方を向いて、目線で合図のような何かを送ると、エレナに絡みつくはずだった黒緑色の帯状の光は粉々に引き裂かれてしまった。
「…………」
「分かってた。さっきの不意打ちからな」
「…………」
「まったく、とんでもない奴だな。つくづく軽蔑する」
「…………」
えっ、ちょ、ちょっと。
エレナとセフィリアで何を話してるの……?
不意打ちってどういう意味?
「こんな奴がいる世界、やっぱ残す理由はないな」
勝手に話進んじゃったし!
結局、世界を救えずじまいだし!
お、おわりなの?




