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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 43 教祖であり魔法少女でもある百合作家、世界の変わり目に立ち会う
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43-3

「やるか? ゆき」

「やらないよ!! エレナと戦うなんて、出来るわけないじゃない……」

「じゃあ終わりだな」

 終わりだなんて!

 うぅ、このままじゃ……。


 どうする?

 エレナと戦う?

 ううん、そんなこと出来ないよ。


 でも、今のエレナが闇のひとつになってるのなら……。

 有効な攻撃は勇者の力のみ。

 あたししか、エレナを止める事は出来ない。


 でもやっぱりむり!!

 むりむりぜったいむり!!!


「ゆきさん! こっちへ!!」

 セフィリアが呼んでる?

 どうしたの?


 あたしはエレナの方を見つつ、セフィリアのところへ向かった。

 アルも同じように様子を伺いつつ向かい、3人が集まったわけだけども……。


 それで、ここからどうするの?


「実はひとつだけ作戦が……」

 作戦……?

 こんな時に何を……?


 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


「それ、本当なの?」

 …………。

 セフィリアから聞いた作戦なんだけども。

 あまりにも突拍子すぎるよ!!


「あくまで予想です……、確証はありません」

 だよね。

 じゃなきゃ、普段冷静なセフィリアがそんな事言わないもん。


「ですが、もうこの作戦にかけるしか」

「う、うーん……」

「エレナさんとこの世界を救うためにはもうこの手しか!」

 そ、そうはいってもー!

 本当に出来るの……?


「私の魔法が通じない以上、この世界の命運はゆきにかかっている」

「うーーん……」

「私からもう、お願いする事しか出来ない」

 アルで無理なら、多分他の魔法少女でも駄目なんだと思う。

 時間を止められるミレーユだって、格闘術の使い手ルリだって、どんな優秀な魔法少女でも出来ない。

 今のあたしにしか成しえない。


 だけども……。


「ゆき、作戦タイムは終わりか? 俺はこれ以上待つつもりはないぞ」

「ちょ、ちょっと!」

 ひっ、エレナが片手を広げたら何だか黒い塊が出来ていって……。

 もしかして、闇の力?


「この力を限界まで溜めて解き放てば、全てが終わる」

 エレナの言う通りだ。

 だんだん大きくなっていってる……。

 うう、ちょっと!

 時間ちょうだいよー!


「はぁ……」

 セフィリアの作戦……。

 やるしかないのかな。


「…………」

 この時、あたしの脳裏には異世界での今までの生活風景が映し出されていく。

 あぁ、これが走馬灯ってやつかもね……。


「ゆきさん! お願いします!!」

 …………。

 …………。


 手が痛い。

 ぐっと強く握りすぎちゃったのかな。


「頼む! この世界を!! ひなを止めてくれ!」

 …………。

 …………。


 足も震えている。

 正直泣きそうなくらい怖い。


「終わりだ。これで全てが元に戻る」

 …………。

 …………。


 それでも。

 あたし、エレナが好きだ。


 だから!!!


 あたしは全速力でエレナへと向かっていき、そして……。

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