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どうにかウィーンの攻撃を耐えきったあたし。
だけど、それが原因で今まで後方に居たミカエルが出てきてしまった。
「なあゆき」
「ん?」
「こんな時に悪いけどな……、俺はお前を利用しようとしてたんだ」
え?
急に何をいってるの?
「学園長に言われてな、ウィーン達に勝ちたかったらゆきと組めって言われたんだ」
それで、あたしと率先して組んだわけだったんだね。
「ごめんな、こんな危ない戦いに巻き込んでしまって」
「いいよ」
でもね、エレナ。
もうそんな事はどうだっていいの。
「どんな理由であれ、あたしが欲しいって言ってくれたの、すごく嬉しかったもん」
「ゆき……」
あの時、間違いなくあたしはどきどきした。
多分、今まで同人誌で描いてた事が自分の身でも体感出来たんだろうなって思う。
実際の恋愛はやったことないし、こういう時どうするのが正解かなんてわからないよ。
でも、だからこそ。
あたしはあたしがしたい事をしたいんだ。
エレナ、あなたを守ってみせるからね。
「あなたのその力、試させていただきます」
ミカエルはそう言うと、銀製の長い杖を出してクルクルと回す。
その後、杖の先をこちらへと向けると、先端が黄金色に輝きだした。
「受けなさい、ピアシング・セイントファイア!」
そして、ミカエルがそう叫んだ瞬間。
銀製の杖先から、黄金色の光線がこちらめがけて飛んできた!
さあ!
どこからでもこいっ!!
イメージする力がそのまま魔法の力になるなら、今のあたしは絶対に防げる自信があるぞ!
あたしは両手を広げて光線が飛んでくる方へ手のひらをかざす。
予想通り、光線はあたしの手に当たるとそれ以上貫くことが出来ず、周囲に光の粒をまき散らしながら蒸発してしまっている。
「く、くう……」
だけども……。
あ、あついしすごく……いたい。
むう、これが魔法力30万の攻撃……。
手が焼けるくらい痛かった。
それでも歯を食いしばってどうにか耐え続けた。
「中々やりますわね。では出力を50%から80%に上げますわ!」
え、うそ。
これって本気じゃないの……?
「ぐ、ぐうう……、ああああ!!!!」
さっきより威力が……!
だめ、手が……もう!!!




