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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 42 教祖であり魔法少女でもある百合作家、決戦の地へ向かう
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42-3

 こうしてあたしたちは、ヘイルシスターズが作ってくれた氷のトンネルを抜けて、ひなのところへ一直線に向かう事になった。



 闇の中、氷のトンネル内にて。


「…………」

「…………」

 あたし含め、みんな道中を黙々と歩いていく。

 意外にも拠点に居た魔法少女たちを連れては行かなかった。

 ミレーユとか、るりとか、強い人居たしお願いすればいいのにって思ったけども、氷のトンネルがそこまで広くないってのと、闇が攻めてくるので残りは迎撃役を務めた方がいいって話らしい。


「…………」

「…………」

 この先に、ひながいる。

 そしてエレナもいる。


「…………」

「…………」

 いよいよ最終決戦かぁ……。

 あたし足手まといにならなきゃいいけども。


「……おかしいな」

「そうですね」

 な、なに!

 2人ともそろってどうしちゃったの!


「ゆきさん、先遣隊が向かったとの事ですよね?」

「うん。……あっ、合流出来てない?」

「ええ」

「あらかじめ作戦は伝えていた。だから氷の魔法に巻き込まれたとは思えないが……」

 そういわれれば。

 しかも闇の中で合流するって言ってたよね?

 もしかして……。


「やられちゃった?」

「いや、ランクの高い魔法少女を選んだ。余程の事がない限りそれはない」

「で、でも、いないんじゃ!」

「うーむ」

 前に闇の中へ行った事あるけども、何度も危ない目にあった。

 だから、ひょっとしたら最悪のシナリオに……。


「…………」

 アルはあごに手をあて、視線を落としている。

 何を考えているんだろ。


「時間がない。今は先遣隊よりも先を急ごう」

 って、考えた結果がそれ!

 ちょっと!


「そんな、見捨てるなんて!」

「別に見捨てるわけじゃないぞ」

「いやだって、このまま進むって……」

「ここで私達が作戦失敗すれば、この世界は闇に飲みこまれる。逆に成功したら闇が晴れるはずだ」

「う、うん」

「捜索はそれからでも遅くないだろ?」

「……うん」

「私の事、むごいと思うか?」

「……わからないよ」

「もしもそう思うなら、さっさとひなを救え。それは今、お前が出来る事だ」

 そ、そうだよね。

 ひなとエレナを救えば、この世界だって救われる。

 闇の中に消えた魔法少女だって、きっと見つかる戻ってくる。


 そうだ。

 今はひなとエレナを救う事を考えるんだ。


「さあ、行こう」

「はい」

「ええ」

 あたしたちは、止めていた足を動かして再び闇の奥へと向かった。

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