41-9
都内、裏路地にて。
「ここです!」
ここで見つかったのかな?
なんか学園長が来そうな場所ではなさそうだけども……。
「…………」
いた、学園長だ。
でも下を向いたままその場に膝をついていて、動きもしない。
「今は魔法少女の方々が、魔法で動きを封じています」
これじゃあまるで、学園長が猛獣みたいだ……。
遠征の邪魔をしたってのも仮説にすぎないし、何もここまでしなくても。
「お前か? この魔法を使ったのは」
「はいそうです。巫女様」
「どうして使った?」
「それが……、見つけた途端暴れだして」
えぇ。
学園長が暴れた……?
なんか普段からおっとりしている人なのに、意外というかなんというか。
「で、使ったと?」
「最初は兵士の方々の協力を得て、力で抑えようとしたのですが無理だったので、しかたなく拘束の魔法を使いました」
しかも屈強な兵士さんでも駄目とか!
学園長……、実はパワーキャラ……?
……なわけないよね。
まあともかく、今は本人に聞いてみるしかない。
ここはやっぱ、あたしが話すしか。
「学園長、聞きたい事があるのですが」
「…………」
あれ?
何の反応もない。
「遠征の邪魔をしたのは学園長ですか?」
「…………」
質問を変えても答えてくれない。
うーん、質問の内容かな。
「今まで居なくなってたと思うのですが、どこにいってたのですか?」
「…………」
だ、だめだ。
何言っても反応ない。
「ちょっと私に代わってくれ」
「うん」
「……よう」
「…………」
アルが話しかけても反応がない。
い、生きてる?
「久しぶりだな。ソフィア」
「…………」
学園長の本名を言っても、何の反応もない。
うーん、大丈夫かな?
「これは埒があかんな」
「そうですね……」
何の質問にも答えないんじゃどうしようもないよね……。
あたしはそう思い、その場から去ろうとした時。
「あははははははははは!!!!!」
「ひっ」
「わたしがくえんちょう!がくえんちょう!!あははうふふあははうふふ!!!!」
が、学園長!?
急にキーキーいいながら言いだしたよ!
眼とがぐるぐるしてるし、なんか笑ってるし!
ひえええ……。
「な、なんだったの」
「……魔法で操られていたのか?」
しかも、またがくって俯いたまま動かなくなっちゃった。
ど、どうしちゃったの?
「…………」
「冷たいし、脈も無いな」
えっ。
それって、もしかして……。
「死んじゃった……?」
「わからん。そこの者、学園長を調べてくれ」
「はい。……大丈夫でしょうか」
「多分な」
「なんだったんだろ?」
「さあな、まるで分からない。だが、妨害があっても大丈夫なように対策はとっておくべきだな」
「うん」
結局、学園長は見つかったものの犯人を見つける事は出来ず……。
なんだか歯切れの悪い結果になっちゃったなぁ。
セフィリアなんか終始黙っちゃってるし、うーん……。




