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というわけで、あたしは居なくなった学園長を探す事になった。
無事だった魔法少女は治療する役、再び遠征の準備をする役、学園長を探す役にわかれて各々の仕事をこなしていった。
それであたしは当然、学園長を探す役割で学園内の捜索をする事になった。
「ここに来るのは久しぶりだな」
あたしと一緒に来てくれたのは、エレナ(中身はアル)とセフィリアだ。
「そっか、アルは大昔に来てたんだよね」
「ああ、王城だった頃はな」
そっか、元々王様のお城だったんだよね。
世界を救うためとはいえ、自分のお城を学校にしちゃうんだから思い切った事するよねえ。
そういえば、王様と会った事ないけども何やってるんだろ。
「セフィリアは本当にいいの?」
「回復専門の方への被害はほぼなかったので、私はこちらをお手伝いしようかと」
なるほど。
それなら安心なのかな?
やっぱ、学園長の事知ってる数少ない人だからね。
「こっちだよ」
さて、まずは学園長の執務室かな。
行方不明ってくらいだから本人が居るとは思えないけど、何か手掛かりになるものがあれば。
そう思い、あたしは真っ先に学園長の執務室へと向かった。
MA学園、学園長の執務室にて。
「ここがソフィアの部屋か」
「うん」
「いつから居なくなった?」
「うーん、あたしが魔法少女チャンピオンシップっていう大会に出てた時だから、10日以上は経ってるかも?」
「そうか」
あれ?
今自分で言ったけども、もうそんなに経ってるんだよね?
「でも、すごく綺麗」
そうなんだよ。
何かごちゃごちゃしている感じもないし、埃とかも積もってない。
定期的に学園内の人が掃除しているって可能性も無くはないけども、それともなんか違う。
「そうだな。まるで今も使われている様子だ」
うん、まさにそんな感じ。
今にも学園長が帰ってきそうな、そんな雰囲気。
「ここに部屋がある。入ってみるぞ」
「うん」
そこって、確かアリス衣装を着せてもらった部屋だ。
書斎って感じだったと思ったけども、何か手掛かりあるといいな。
学園長の私室にて。
「特に何もなさそうだが……、何やってるんだ?」
「えっ、あ、うん。可愛いなぁって」
やっぱりあった、アリス衣装。
うーん、いいよなぁこれ。
こんな有事になにやってるのだってのはわかるけども、それでもやっぱかわいい。
「そこまで気になるなら、着ればいいだろう?」
「いやいや! これはアリス衣装で選ばれた人しか着れなくて!」
「別に問題ないんじゃないか?」
「で、でもだめなんです!」
「よく分からないな」
今なら着てもばれないとは思うけども……。
やっぱ勝手に着るのはよくないよ!
それに、あたしの魔法少女衣装だってかわいいからね!
おっと、そんな事よりも手がかりっと。
「ぱっと見は何も無さそうだな」
「うん」
「そうですねえ……」
やっぱ何もなしかー。
そうだよね、学園内に戻ってたら誰かと出会うはずだし。
あれ?
学園長行方不明って事は、学園の運営とか誰がやってるんだろう?
代理の人でもいるのかな。
「でも、魔法力の流れが妙――」
「大変です! 教祖様!!」
アルが何か言ってた時に、扉から教徒の人が来た。
しかも慌ててる、なんだろ?
「学園長が……、学園長が現れました!! 今複数の魔法少女が取り押さえてます、すぐに来てください!!」
な、なんだってー!
行かなきゃ!!




