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「いつまでも年頃の少女に任せきりでは、貴族の示しがつかないからな」
この声って……。
まさか!
「セレライン卿!!」
ミカエルのお父さん!
学生の時、あたしを公開処刑しようとしてた人なのに!
い、意外だ……。
正直、この人から援護来るとは思わなかった。
「そうでしょう、皆さん?」
「……セレライン卿がそうおっしゃられるのならば、私も援助致しましょう」
「確かに、傍観者である事から決別するのにいい時期かもしれません」
「同感、我が家も全面的に支援するぞ」
おお!
貴族の人たちがあたしに賛同してくれた!
そっか、ミカエルの家って名家だったね。
影響力すごい……、あたしよりも。
「私の大好きなゆきちゃんが頑張っているんだ! 私達もやれることやろう!」
「そうよ! このままじゃ教徒失格だもの!」
「私も頑張るよ! ゆきちゃんの手伝いする!!」
この声って、前闇から救ったあの人だよね?
あれからもあたしの事支持してくれてたのはしってたけども、ここまでやってくれるなんて!
ありがとう……、ありがとう……!
「教祖様万歳!」
「我々は教祖様にどこまでもついていきますぞ!」
「教祖様永遠なれ! 聖百合教永遠なれ!!」
他の教徒も次々と反応していく。
みんな分かってくれたんだ……、良かった。
「……俺達もやる日がきたか」
「そうだな、いつまでも結界が持つわけなんてないからな」
「自分の家族を守らないとだよな」
「これ終わったら俺、民兵志願してくる」
そして平民の人たちも!
すごい、すごいよ!!
「うおー! やるぞー!」
「ゆき様! ゆき様!」
「ゆき様! ゆき様!」
ちょ、あたしの名前コールが始まっちゃった。
ひ、ひえぇ……。
で、でもこの雰囲気、この熱さ!
やば、みんなの気持ちがひとつに!
これであたしの作戦もようやく……。
待っててねひな、必ずあなたを救ってみせるから。
そして……、よければ百合話をしたいかな!
ほ、ほら、実体験もあるみたいだし……///
「ん?」
おや、リングの足下が盛り上がってる……?
なんだろ?
「ゆき! 危ない!」
んん?
エレナ、急に血相を変えて。
うわあっ、突き飛ばされちゃった!!
いてて、尻もちついちゃったよ。
もー、なにするの!
そう思っていた時だった。




