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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 40 教祖であり魔法少女でもある百合作家の作品、アニメ化する
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40-5

「なあゆき」

「うん」

「お前、何の為に絵を描いているんだ?」

 えっ。

 そんなの決まってるじゃん。

 あたしは教祖なんだよ?

 しかも魔法少女ランキング1位だし、芸術家として貴族にだって認められている。

 だから、みんなを喜ばさないといけない。

 エレナだって、巫女だし夫なんだから分かってると思ったのに。


「……あー、やめとこ。邪魔して悪かったな」

「えっ、ちょ、ちょっとー!」

 な、なに急にどうしちゃったの!

 なんかまだ言いそうな感じだったよ?

 どうしてやめちゃうの?


「頑張れよー! お前ならきっとたどり着けるはずだからな!」

「待って! まってってばー! 行っちゃった……」

 ええええええ!

 結局何だったの……。

 何が言いたかったの……。


「もー! なんなのー!」

 エレナといいセフィリアといい意味深な言葉だけ残していくし!

 あたしどうすればいいの!!


「はぁ……」

 万人受けする内容。

 セフィリアの少し昔を思い出せって話。

 エレナの何の為に描いているかって話。


 うーん。

 どれも繋がりそうにないし……。


 少し昔……かぁ。

 昔の作品を見ろって事なのかな?


 そう思い、あたしは棚にあったこの世界で出した作品を手に取り、ページをめくっていった。


 これ、ブランディちゃんが気に入ってたね。

 うふふ……、あんな可愛い子が百合に興味持ってくれるなんてね!


 次の作品は、あーこれは邪教の経典とかいって燃やされそうになった作品だ。

 ま、まあ百合だから仕方ないのかな……、今考えると。

 でも、教徒の人たちは内容について真剣に話してたんだよなぁ。


「お、これって」

 次に手に取った作品。

 これ、初めて学園長に認められたあたしのデビュー作だ。


 うーん……。

 今見返すと、コマ割りとかもうちょっと直した方がいいかも。

 ちょっとパースも狂ってるとこあるし、誤字は商人ギルドの人が見てくれて大丈夫だけども……。

 なんだろう、今より絵あまりうまくない。


 でも……。

 この作品……。


 ぺらぺら……。

 ぺらぺら……。


 なんだろう、真剣に読んじゃう。

 不思議な魅力というか、引き込まれるよね。

 我ながらいい作品描いたなぁ。


 なんかこう、百合が好きってのがすごい伝わってくる感じ。


 …………。

 …………。


 ああ!

 そっか!

 この感覚だよ!!

 教祖とか、魔法少女活動とか、プロの作家とかそういうのじゃない。

 あたしはあたしの描きたいものを描けばいいんだ!

 万人受けとか立場とか失敗した時の事考えてて忘れてたよ……。


 だったらあたしは百合を描くぞ!

 だって、それがあたしの描きたいものだもん!

 そもそも、聖百合教なのに好きな百合描かないとかありえないでしょー!


 きっとエレナやセフィリアが言っていた事って、そういう事なんだよね?

 うん、きっとそうだ。


 じゃあジャンルは百合で決まりとして。

 内容は……。


 …………。

 …………。


 あたしひらめいた。

 いい題材、あるじゃん……。

 ふふふふふ、これだ……。

 これしかない……。

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