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「あとは……」
「お? どうした?」
「なんでしょう」
そう、まず絵はよさそう。
なんだけども……。
「風景、音楽、キャラクターの声だね」
まだまだやる事はたくさんある……。
風景もやっぱ……、魔法でやった方がいいよなぁ。
音楽と声どうしよう、声はエレナとかセフィリアにお願いしようかな。
「音楽は私の知り合いに楽師がいらっしゃるので、お願いしてみますね」
おお!
さすが司祭の娘!
やっぱすごいなぁ、感謝感激だよー。
「風景って、ハルと同じ様に幻でいいのか?」
「うんー」
「これでどうだ?」
「おおお!! エレナいつの間に!!」
うおおお!!
なんか手のひらからばーっと草原が出てきたよー!
なにこれ本物……なわけないよね?
でもこれ全部幻影なの!
い、いつのまに……?
「俺だってパワーアップしてるんだよ。まぁ、今の俺ならこのくらいは出来る」
そういえば、すっと手を出してなんかこう自然な動きだった。
な、なんかかっこいいぞ!
本当にどうしちゃったの!
でもこれで、アニメを作る準備は出来たぞ……!
意外とすんなりいってるね!
いい感じだ。
これも魔法少女やってたおかげかも?
うふふふふ……。
やばい、変な笑い出てきちゃった。
「…………」
「あとは内容なんだけども……」
「そうだな、どんな内容にする? またパラパラ漫画の時みたいに勇者の話にするのか?」
「さすがに何度も同じ内容は飽きられちゃうから、別の内容にしたいねえ」
「そういうもんかー」
アニメ化出来ると思って、舞い上がっていたせいか内容をまだ考えてなかったり……。
だって、内容が駄目だったら、教徒の人も支持してくれた貴族の人も離れちゃうかもしれない。
最初はいろいろ考えてたけども、なんか違うというか。
責任重大というか、うーんうーん。
「俺は楽しみにしてるぞ、ゆきのアニメ」
そうなんだよねー!
今のあたしは在野の売れない作家じゃない、教祖なんだよ!
だから変な物は作れない……。
うぅ、プレッシャーかかる。
前世でプロの人ってみんなこんな感じなのかな。
「ちょ、ちょっとひとりで考えさせて」
「手伝わなくていいか?」
「う、うん。だいじょうぶ」
「あまり無理はなさらないようにしてくださいね」
そんなわけであたしはみんなといったん別れると、自室へと向かった。




