39-11
セフィリアがMA学園に向かってから3日後。
聖百合教本部、教祖の私室にて。
「ううぅ……」
エレナもそうだけど、セフィリアもどこか行っちゃったよ……。
なんなのもう……。
「教祖様、どうかお気を確かに」
こんなの、気が気じゃないよ。
みんなあたしから離れていく……。
折角、大会頑張ったのに何で?
どうして?
「教祖様!」
「扉は静かに!」
なに……。
今度はなんなの。
もう嫌な事聞きたくないよ……。
「し、失礼しました。巫女様が戻ってきました!!」
「!!」
えっ。
巫女が……、戻ってきた!!
「すみません、何も言わず出て行ってしまって」
「セフィリア!!」
おおおおおお!!
居なくなったセフィリアだ!!!
「あらあら、そんなに抱きつかなくても……」
「もう! 心配したんだから!!」
ほんとだよ!
何で何も言わずに出て行っちゃうのー!
うぅ、無事で良かった。
本当に、本当に……。
思わず抱きついちゃったけど、セフィリアやっぱりお胸大きい。
はぁ、いいにおいするし柔らかいしあったかいなぁ。
「ですが、もう離れませんよ。フフ……」
しかも頭まで撫でて貰ってる!
いやん、どきどきしちゃうよ!
…………。
…………。
あとはエレナだけ。
エレナさえ帰ってきてくれたら……。
「よう」
!!
その声、まさか……。
胸にうずめていた顔を、声のする方へ向けると……。
「すまんな、何も言わず出て行って」
そこには今まで行方が掴めなかったエレナが、後頭部をかきながら気まずそうにしていた。
「エレナー!! もう!! 心配したんだから!!」
「わ、わるかったって!」
「ばかばか! エレナのばかー! うわああん!!」
「お、おう……。もう大丈夫だからな」
うぅ、エレナ帰ってきてくれた……。
あたしの事、嫌いじゃなかったんだね。
良かった、本当に良かったよお……。
「どこへ行かれていたのですか? 心配したのですよ」
そうだよ!
10日間も居なくなって、しかも大会だって見てくれなかった!
「いや、まぁそのなんだ……」
「むー、言えない事なの?」
「そんなんじゃねえよ! 別にやましい事とか違うし!」
なんか怪しい……。
本当に何をしてたんだろ。
「いいよ! 俺の事は!! ちゃんと戻ってきた! もういいだろ!」
「うーーん……」
「あらあら」
あぁ、エレナどこかいっちゃった……。
結局、どこに行ってたのか分からずじまいって事?
…………。
でもいいかな!
ちゃんと戻ってきてくれたし!
「…………」
おや?
セフィリアの表情がいつもとなんか違う?
気のせいかな。




