39-7
「大きな流れがこの世界にはあり、あなたがその中心になっている」
「う、うん」
あたしは作家活動出来れば良かったんだけどね。
別に教祖とか想像外だったし、作品広まったのは嬉しいんだけども。
うーん。
なんでこうなっちゃったんだろ。
「私は真実が知りたい。そのためにランク1を維持し続けたし、危険な相手とも戦ってきた」
確かに、トップだったら情報とかもいろいろ入ってきそうだよね。
でも、そこまでしても分からない事が多い。
なんなのこの世界……。
「話はここまでかな、とりあえずあなたの事はわかった」
「うん」
話は終わったみたい。
戦いを再開するのかな?
あたしじゃ間違いなく勝てないけども……。
えっ?
そっちの方向って。
「…………」
ミレーユが放った煙が消える頃には、彼女はリング外に立っていた。
「これは驚きの結末!! ミレーユは場外にて、優勝はエステレラに決定!!!」
う、うそ。
ミレーユが勝手にリング降りて……。
あたし……、勝っちゃったよ?
「うおーー!!」
「聖百合教、万歳!!」
「教祖様万歳!!」
「ゆきちゃん最高ー!」
「きゃー!!」
え、えええええ!
こんな結末あり……?
いやいや、これはこれでいいのかな。
ミレーユも勝ちを譲ってくれたって事は、あたしに協力してくれるって事だろうし。
う、うーん。
でもなんか、これじゃあ勝たせてもらったって感じだ……。
「…………」
あたしは場外に居るミレーユと目が合ってしまうと、思わず逸らしてしまった。
「おめでとうございます!」
「へ? う、うん。ありがとうございます……」
ひえ、ギルドの受付お姉さんが迫ってきた!
ち、近いよ……。
「煙の中でどのようにミレーユを場外へ追いやったのでしょうか!」
「う、うーん」
まさか自分で歩いて出て行きました、勝ちを譲ってもらいましたなんて言えないし。
ど、どうしよ……。
「見事な魔法力の具現化だった。流石は教祖というわけね」
って困ってたら場外に居るミレーユが!
や、やめてよ、そんなハードルあげないでっ……。
「教祖様ー!!」
「うおー!!」
「きゃー!!!」
ほら!
観客の人ら盛り上がっちゃってるよ!!
もー、引っ込みつかないじゃん……。
「おめでとうございます」
「セフィリア!」
おお、セフィリアがリングにあがってきた。
ずっと見ててくれてたんだね……、嬉しいなぁ。
ひなを救うのも大事だけど、やっぱエレナやセフィリアに見てもらえるとモチベーション違うよね。
って、んん?
エレナは……どこだろ?
「あれ? エレナは?」
「それが見当たらないのです……」
えっ、うそ。
エレナが来てない?
どうしたんだろ、具合でも悪いのかな……。




