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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 39 魔法少女になった百合作家、魔法少女の心を掴む 最終日
326/420

39-4

 あたしは勇者の剣を生成し、それを大きく振りかぶり……。


「…………」

 ミレーユが近づいてきた!

 今ここで振り下ろせば……!!


「えっ?」

 うそ。

 さっきまで居た場所から、いきなり懐に……。


「…………」

「うぐっ……」

 な、なんで。

 またあたしがやられちゃった……。

 さっきまで少し離れてたのに、いきなり移動してきたよ?

 どうして……。


 あたしの視界が大きくぐらつく。

 そして気がつくと……、あたしは再び地面を這っていた。


「…………」

「…………」

 観客からの声も無かった。

 あたしが体力の限界にきたのか、それともやられすぎて絶句しているのか。

 たぶん、後者かもしれない。


「…………」

 分からない。

 勇者の吹雪で、全方位どこから来ても分かるようになっていた。

 事実、途中までは見えていた。


 だけど、突然懐に入られて……。

 もしかして、ルリ以上の格闘術の使い手?

 ううん、そうじゃない。

 何かもっと別の、姿を消す以外の魔法を使っている。


「うぅ……」

 た、たたなきゃ……。

 ここで負けちゃったら、今まで築きあげてきたものが……。


「はぁはぁ……」

「これ以上やれば、あなたはタダじゃすまない。もう降参しなよ」

「ば、ばかにしないでよっ! まだ……いける……!」

 どうにか立てた。

 まだ魔法力は残っている。


 でも、このままじゃまたやられてしまう。

 鎖剣も駄目、結界も駄目、吹雪も駄目。


 ううん、諦めちゃだめだ。

 考えるんだ、ミレーユの魔法のことを。


「はぁっ……、はぁっ……」

「…………」

 吹雪の中を、あたしにばれずに進む方法……。


「はぁっ……、はぁっ……」

「…………」

 そんなの、空間を一瞬で移動するような。

 たとえば、ワープでもしないと無理なような。


 ううん、ワープ程度ならルリは見切るはず。

 だからワープって事はないはず。


 …………。

 …………。


 しかも、あの時って確か、ルリの格闘術も防いでいた。

 それって、超パワーとか、超スピードも簡単に見切れる能力。

 そんなのルリ以上の格闘術の使い手以外……。


 …………。

 …………。


 あっ、ひとつだけあった。

 ルリの攻撃を防いだり、あたしの懐に気づかれずに入る方法。


「……もしかして、時を止められる?」

 むむ、ミレーユの表情が少し変わった。

 ほ、本当なの?


「私の能力が分かった人、魔法少女だとあなたが初めてだよ」

 う、うそ……。

 当たっちゃった……。


 って、時間を止める魔法!

 そんなん、あたしじゃどうあがいても勝てない……。

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