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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 39 魔法少女になった百合作家、魔法少女の心を掴む 最終日
325/420

39-3

 …………。

 …………。


「お、おい……」

「教祖様が起きないぞ……」

「ゆ、ゆきちゃん……?」

 …………。

 …………。


 もうわけわかんない。


 …………。

 …………。


 うぅ、これって……。

 結界の破片?

 いつの間に砕かれていたの?


 …………。

 …………。


 なにこれ、まるで手が出ないじゃん。

 反則だよ……。


「いやあ! ゆきちゃん!!」

「教祖様! 立ち上がってくれ!!」

 そんな勝手な事言われても……。

 何やったかわかんないし、一撃が全部防御突き付けて直接ダメージになるとか。

 もう痛いのいやだよ、お願いだからこのまま休ませて……。


 …………。

 …………。


「教祖様もここまでなのか……?」

「ゆきちゃん……」

「やっぱミレーユは強いな」

 そうだ。

 このまま寝てて何になる?

 今まで大会勝ち抜いたのが全部無駄になる。


 うぅ、立ち上がれあたし!

 魔法力だってきっと残ってるはずだ!

 お願い動いて、あたしの体……!


「エステレラ、戦闘不能と見なし――」

「ちょ、ちょっと待って!」

 ふ、ふう。

 結界はる時、構えてたおかげかな。

 最初に受けた時よりはダメージが無かったかも。

 それでも足元ふらふらし、息苦しいけど……。


「まだ戦える?」

「……はい」

「おお! 教祖様が立ったぞ!」

「うおー! 教祖様!!」

「ゆきちゃん頑張れー!」

 でも、結界が破壊された事でミレーユの攻撃を暴く魔法思いついちゃった。

 へへへ、これならきっと……!


「試合再開!」

「…………」

 リングガールの合図とともに、ミレーユが再び消えた!

 よし、今こそ!!


「いっけえ!! 勇者の吹雪!!!」

 あたしの魔法は、魔法力を物質化する事!

 相手はどこから来るのか分からない。

 だったら……、こうだ!!


 あたしは、拳を強く握りながら祈ると、腕をめいっぱい周囲へ振るう。

 すると、手から粉々になった魔法力の結晶が舞い散って、周囲をキラキラと輝かせた。


 あたしが即興で思いついた魔法、勇者の吹雪。

 それは、粉々になった魔法力の結晶を周囲にばらまく。

 こうすれば、姿を消しているミレーユの姿だって見えるはず!


「…………」

 おお!

 見えるよ!

 魔法力の結晶の無い部分が明らかに出来てる!!

 確かに、こっちに迫ってきている。


「そこだあーーー!!!」

 よし、今しかない!!

 勇者の剣で迎撃して……!!

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