39-2
いよいよ決勝戦。ミレーユとの戦い。
「…………」
「…………」
さあ、どう来る?
「…………」
「…………」
ど、どこからでも来いっ!
「…………」
「…………」
あ、あれ?
来ないの?
「勇者の剣!!」
よーし!
こういう時は先手必勝!
魔法力ならあたしの方が上だよ!
だったら、速攻で相手を……。
やああ!!
いっけえーー!!
「…………」
むっ、ミレーユが消えた!
よし、ならここで鎖剣に変えて範囲攻撃を――。
えっ?
いつのまに懐に……。
「…………」
「うわあっ!!」
ぐぐっ、どうにかリングアウトは防いだけども。
すごい吹っ飛ばされてしまった……。
どうして?
さっき消えたばっかりなのに、いつのまに間合いに……?
そう思いつつ立ち上がろうとした時。
「うぐっ……、げほっげほっ」
な、なにこの胸の苦しいの……。
魔法少女の衣装は魔法力がある限りダメージを防いでくれるはず。
今までだって、リゼットの爆風とかからちゃんと守ってくれていた。
なのにどうして?
何でこんなに、いたくてくるしいの?
しかも……。
あたしが出した勇者の剣が粉々に砕かれているよ。
なんで、何があったの?
「…………」
また消えた!
次はどこから来る……?
ううん、そんなのは分からない。
だからもっかい、鎖剣で!
「いけえ! 勇者の鎖剣!! やああ!!!」
めいっぱいチェーンの部分を伸ばして、それを振り回せばミレーユがどこに居ても当たるはずなんだ!!
「…………」
うそ、また懐に!
いつの間に……!!
「うぎゃぁっ!!」
…………。
…………。
うぅ、またリングアウトは防いだけども……。
「げほっ、げほっ……」
まただ、この胸の苦しさ。
うぅ、吐き気すごいし口の中がまずいよう……。
しかも、やっぱりさっきと同じであたしが生成した武器が粉々になってる。
なんで?
どうして?
いったい、何が起こってるの……?
「…………」
ひっ、また来る!
守らなきゃ!
これ何度も受けるのはまずい!!!
「勇者の結界!!」
どうだ、全体防御だよ!!
これなら近寄れない!
たとえミレーユがどんな攻撃をしたとしても……。
「えっ?」
「……愚かね」
うそ、また懐に。
い、いやあ……。
「…………」
「うわあああ!!!!」
…………。
…………。
いったい、なにが……。
なんで、こんな……。




