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5-2

 あたしは答案用紙に答えを書いていく。


「そこまでです」

 学園長が時間切れを宣言すると同時に、あたしは全ての問題への記入を終える事が出来た。


 あぶな……、ぎりぎりだった。

 でもどうにか全問解けた。

 筆記で落第って事はなさそうかな……。


「筆記試験お疲れ様でした。それでは明日の実技試験に向けて各自自室で待機していてください」

 今まで机の上にあった答案用紙は、何もなかったかのように消えてなくなってしまうと、部屋の扉が自動で開いた。


「さあフロリアンナ先生、いきますよ」

「うに……」

 あの先生、結局今まで寝てたんだね……。

 試験じゃ何もする事がないから仕方ないのかな……?

 あんな答案じゃ不正なんて出来そうにないし。


「あと、実技試験はペアで行いますので、希望の方と組みたい人は試験開始までに決めておいてください」

 なるほど。

 だから個人授業が始まる時、ペアでって言ってたのはこれだったのね。


 うーん、ペアかぁ。

 魔法力50000のミカエルと組めたら最強なんだろうけども……。


 そう思いながら、あたしはミカエルの方を見た。


「ミカエル様! 共に参りましょう!」

「ウィーンさん、頼みますよ」

 やっぱそうなるよね。

 というか、あの二人が組んだらもう誰も敵わないような。


「ウィーンさん、今のあなたのどの程度です?」

「35000くらいでしょうか。もうちょっと高める事も可能ですが……」

「わたくしの魔法力はこの10日で320000まであがりました」

「おお、流石です! グランドリリィ目指しましょう!」

「当然ですね」

 さ、320000!?

 うそん、6倍以上になってる……。


 でも、実技試験って何をするんだろう?

 ペアだから、ペアでしか出来ない事をするんだよねえ。


「よーう。ゆき」

「あ、エレナ~」

 そうやっていろいろと考えている最中、エレナが笑顔で声をかけてきた。


「一緒に組もうぜ!」

 そして何の迷いも無く、あたしへと右手を差し出して握手を求めてきた。


「なんであたし?」

「あ? いやなのか?」

「ううん! むしろ大助かりだよ!! エレナだったら、もうちょっと強い人とも組めるはずなのに」

 あたしが魔法を使えないって知ってるはずなのに。

 それでもどうしてあたしなんかと組もうとするんだろ……。

 エレナは性格こそ乱暴だけど、魔法力もそこまで低いってわけでもなさそうだし。


「いや、ゆきがいい」

「え」

「ゆきじゃなきゃ駄目なんだ。ゆきがほしい」

 ちょ、ちょちょちょっと!

 なななにいってるの!

 そんなん……、は、恥ずかしいじゃない!


 や、やだ。

 何この感覚……。

 すごいどきどきしている。

 はぁ……、はぁ……、おちつけ……。


「どうしたー?」

「う、ううん! なんでもないよ! こっちこそよろしくね!」

「おう!」

 あたしは胸の高鳴りをおさえつつ、エレナの差し出された手を握った。

 こうして、実技試験のペアは決まった。

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