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38-3

「ね、ねえ……、どういうこと?」

 ふたりのトップランカー対決は、呆気なくも意外な形で終わってしまったわけだけども……。


「セフィリアは何か見えた?」

「いいえ、ですが一瞬ですがとてつもない魔法力を感じました」

「それって、多分ルリのだよね?」

「ミレーユさんと、ルリさんの両方ですね」

 セフィリアに聞いてもやっぱり分からない!

 ふたりの魔法力。

 ルリのは分かるけども、ミレーユのはどうしてだろ……?


「あーあれか」

「何か分かったの?」

「そりゃお前あれだよ」

「うん」

「…………」

「で、何が分かったの?」

「がーっとなって、ばーっとやって、どーんってなったんだよ」

 駄目だ、全然答えになってない。

 つまり誰も分かってないって事じゃん!


「……どうしてミレーユさんが勝ったのか。その仕組みが気になりますね」

「そうだな。でもこれだけははっきりいえる、あいつはやべぇ」

 ちょ、ちょっと!

 そんな脅さないでよ……。

 明日、あたしが相手するのにー!


「う、うーん……。はぁ」

 はぁ、どうしよ。

 やっぱ棄権しちゃうしかないかな。

 一応、ベスト4には残ったし、十分だよね……?


 …………。

 …………。


 ああああ!!

 だめだ!!!

 棄権出来ない!!

 教徒の人とか、ファンの人とか絶対に残念がるよー!


「うぅ、あたし頑張る……」

「おいおい……」

「そんな……」

「元々、あたしがこの大会に出る理由って、魔法少女の味方を増やそうだったじゃん?」

「そうだな」

「だから、ここで戦わずして逃げるのは、やっぱ違うような気がして……」

 そうなんだよ。

 こんな大規模な戦いで、しかも決勝戦だよ?

 それを棄権なんてしたらどうなる……。


 魔法少女は当然あたしの事なんて信用してくれなくなるし、貴族や平民の人だってそっぽむいちゃうよ?

 そんなの駄目なんだよ。


 かといって、華々しく玉砕!なんてのも駄目だし……。

 うーん、どうしよ。


「分かった、ゆきがそこまで言うなら、俺は止めねえよ」

「エレナ……」

「私は反対です。ゆきさんは棄権するべきです」

「セフィリア……」

 おおっと。

 ふたりで意見が分かれたよ?

 こ、これは初めての展開かも?


「エレナさん、あなたは大切な人をむざむざと死地へ送るのですか?」

「死地って、流石に命までは取らんだろ……」

「ですが、あれだけ魔法と格闘術の心得があったルリさんがやられてしまったのですよ?」

「そりゃあ、そうだけどな。ゆきだって、今じゃ魔法力500万超えだぞ? リゼット相手にも勝ったし、案外いけるかもしれないな」

「魔法力なんて関係ありません! あなたは愛すべきパートナーの身が心配ではないのですか!」

 ひっ。

 な、なんかセフィリアがいつもより熱い気がする。

 そりゃあ、危険な戦いになるとは思うし、あたしの事を思ってくれてるのもわかる。

 でもそこまで言わなくても……。


「はぁ? 俺が心配してねえと言いたいのか?」

 ひええ、なんか雲行きが怪しくなってきた。

 ちょ、ちょっと、喧嘩はやめよう?

 ね?


「思慮が足らなすぎます! 日々の言動だって、もっとゆきさんのパートナーに相応しくあるべきなのです!」

「うるせえな! どうせ俺は分不相応だよ!!」

 セフィリア、どうしちゃったの?

 なんか今日は様子がおかしいよ?

 何があったの……?


「ちっ、気分わりぃな」

「どこへ行かれるのですか?」

「帰って寝るんだよ!! ……どっちにしても、ゆきが決める事だ。俺らがここでどうこう言っても変わらん」

「待ちなさい! 話はまだ終わってません!」

「ついてくるなよ!!」

 あああああああ!

 なんかふたりとも喧嘩しちゃってるしー!

 どうしよう……、うう……。

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