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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 37 魔法少女になった百合作家、魔法少女の心を掴む 5日目
314/420

37-8

 円形闘技場、選手控えの部屋にて。


「ゆきすげえな!! あのリゼットに勝つなんて!!」

「本当です。素晴らしいですね、うふふ」

「ありがとう。あたしも驚いてる……」

 いやほんとその通りだよ。

 あたしの予想、当たってて良かった……。

 なんか毎回言ってるけど、今回は今まで以上にぎりぎりだったね。


「でも、はぁー、つ、つかれた……」

 そして今までで一番疲れたよ……。

 も、もう歩くのもやっとで。

 思い返せば、魔法力が尽きた状態って体験してなかったからなぁ。

 こんなにしんどいなんて、ふー。


「明日はいよいよミレーユと戦うからなー、今のうちに休めるだけ休むしかないな」

「レティシアさんという可能性もありますからね」

 そ、そうだった。

 明日はミレーユか、レティシア……もといルリが相手だったんだ。

 ……これ回復するのかな。

 不調のままじゃ絶対に勝てないよ?


「大したものね」

「お前!」

「リゼットさん!」

 んん?

 何でリゼットがここに?


「なんでここに来たんだ? 負け惜しみか?」

「そんなんじゃないわよ」

 おや、リゼットがこちらに歩いてきて……。

 どうしたんだろ。


「どう? 具合は?」

「も、もう歩けないくらいへろへろだよ~」

「ちょっと見せなさい」

 うわあっ!

 いきなり顔に両手当てられて、しかもリゼットの顔が近い!

 ひ、ひいー、いきなり何なの!

 で、でも可愛い……。


「あなた、マジックリカバリー能力持ち?」

「はい」

「なら治療してあげて、極度の魔法力不足に陥っているわ」

「分かるのですか?」

「魔法力の流れが分かるから、回復は無理でも状態は分かるわよ」

 あっ、そういう事。

 あたしの様子を見ただけなのね。

 ……何を期待してるのあたし。


「魔法力が戻って、一晩眠れば元に戻るから安心して」

 ほっ、どうやらそんな重症ってわけではなさそう。

 よかった……。


「あともうひとつ」

「うん?」

「ミレーユもレティシアも強いわよ」

「う、うん」

「じゃあ、頑張って」

 用件が済んだらさっさと行ってしまった……。

 もしかして、あたしの事心配してくれてたのかな。

 心を掴んだ……とは思えないけども、少なくとも負の感情を抱かせたわけではなさそう。

 ま、まあそれならいいのかな。


「じゃあ治療しますね。じっとしていて下さい」

「うん」

「ちょっと出てくわ。すぐ戻ってくる」

「うん、いってらっしゃい」

 あたしがセフィリアの治療を受けるべく、膝枕の上に頭をあずけた時だった。

 おや、エレナが部屋から出てっちゃった。

 どうしたんだろ。


 はぁ~、それにしてもセフィリアの治療あったかいなぁ。

 なんかこう、温泉入ってる感じ。

 そういえばこの世界って温泉あるんかな?

 あるなら、みんなと行きたいな。


「ゆきさん」

「うん?」

「ちょっとごめんなさいね、すぐ戻ってきます」

「うんー」

 あらら、セフィリアも言っちゃった。

 ふたりともどうしたんだろ。


 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


 うーん、誰も居ない。

 静かだ。


 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


 次の相手はミレーユか、ルリか。

 どうしよう?


 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


 消える相手だから、やっぱ鎖剣なのかなー?

 でもランク1だし、通じるかどうかわからないよねぇ。

 ルリの方だと……、どうやって戦おう?


 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


 Zzz。

 Zzz。


 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


 ん?

 物音が、誰だろ。


「お、セフィリアおかえり」

「……ええ」

「よう、待たせたな」

「エレナおかえり」

 最初にセフィリアが、少し間をおいてエレナが帰ってきたや。


「エレナさん」

「ん? なんだ?」

「どこへ行ってたのですか?」

「……ションベンだよ。そんな事言わないといけないのか?」

「いいえ、……変な事を聞いてしまって申し訳ありません」

 むむ、なんかセフィリアの様子がおかしい。

 何かあったのかな……?

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