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「さあ、どうするつもり?」
うーん、本当にどうしよ……。
魔法力を読み取って、それに反応して行動しているってのは分かったけども。
物理で殴るってわけにもいかないし……。
あたしそんなキャラじゃないし。
でも、魔法力を読み取るってすごいよね。
あたし、全然分からないからどうやってるんだろ?
あと、どんな感覚なんだろうね?
「来ないなら、行くわよ」
リゼットは再び手のひらを広げて、光の粒を生成する。
そしてそれはまるで意思を持っているかのように、こちらへ飛んできた。
このままじゃあの光の粒はあたしに当たってしまう。
勇者の力で武器を生成したら、そっちへ向かってくれるけどあたしは丸腰になっちゃう。
あたしの方が消耗が激しいから、このままじゃ魔法力切れて負けちゃう。
考えろ……。
考えるんだあたし……。
今のあたしは幻影、結界、鎖剣、螺旋槍のようなこの大会から使えるようになった魔法は使えない。
それだけの魔法力が残ってない。
鈍いあたしでも、それはなんとなくわかる。
だから、剣か、盾か、短剣か、槍か。
その4つでどうにかするしかない。
それだって、使える回数はもうたいして多くない。
リゼットは魔法力を読み取る。
読み取る……。
読み取る……?
んん?
読み取るってどの精度まで読めるんだろ。
思い返せば、学生の頃にエレナと一緒に戦った時。
あの時エレナの攻撃に対して、数値で読んでいた。
だったら、数値に関わらずあたし本体を狙えばいいはずなのに。
何故かいつも、あたしが生成した結界とか幻影とか武器に反応していた。
という事は……。
もしかして。
「いっけえ!! 勇者の剣!!」
もうこれしか活路はない!
予想が外れてたらあたしの負けだけども、このまま何もしなきゃどっちにしろ負けだよ!
だったらやってみる!
この生成した勇者の剣を、リゼットの攻撃へ投げ込む!
そして……。
「からの、勇者の槍!!」
比較的魔法力が少なく、かつ一点集中で威力の高い勇者の槍を生成!
「……ふん」
あたしの予想通りだ。
放り投げた剣の方へ光の粒は反応した!
リゼットは急いで攻撃しようとしているけども……。
「やあああ!!!!」
そうはさせない、一気に槍で攻撃だー!!!
「ぐっ、離れなさいよ……!」
よし!
攻撃は当たった!
このまま押し出すのみ!!
いっけえーーーー!!!!
…………。
…………。
「やってくれたわね」
「はぁ、はぁ……」
ど、どうだ!
あたしも出ちゃったけど、先に落ちたのはリゼットのはず。
「両者リングアウト!! ですがリゼットが先に落下したため、勝者はエステレラ!!」
「うおーー!!」
「教祖様!!」
「きゃーゆきちゃん強いー!」
こうしてあたしは、苦戦の末にリゼットに勝つ事が出来た。
あ、危なかった。
本当にぎりぎりだった……。




