36-4
「じゃあ、魔法いくよぉ」
ヘイルシスターズのティエラが繰り出す魔法……!
あれ?
どっちが妹でどっちが姉なんだろう?
おっと、今は戦いに集中!
「……ニヤリ」
ひっ、また顔つきが病んでる状態になった!
こ、これって……。
また剣状に凍らせた杖を振るってきた!
ま、魔法ってこれ……?
ともかく、防がないと!!
「勇者の剣! あーんど盾も!」
おお!
咄嗟にやってみたけど、両手で出せた!
魔法力540万すごい!
って感動している場合じゃない。
ここは迫ってきた攻撃の相手を受けないと!
ティエラが氷剣を縦に振り下ろせば、あたしは剣で受け止め。
横薙ぎに払ってくれば、盾で受け止め。
「アハハハハハ!」
「く、くう……」
どうにかティエラの猛攻の直撃を回避できている。
剣と盾、両方出したおかげで、さっきよりかはティエラの攻撃を防ぐのは楽だけども……。
でも、反撃に出る余裕はない。
何かいい手を考えないと……。
こ、こういう時は相手の動きをよく見て……。
「ひぃぃぃっ」
やっぱ怖いよこのひと!
病み系魔法少女怖い!
直視出来ないー!
「ネエチャントワタシヲミテヨ」
うわん!
ちょっと目線逸らしたのばれてる!
もうやだー!
こわいよう……。
「くうう……」
そしてやっぱ力強い……。
ぐぐ、押されるう……。
!!
げげっ。
逃げたり受けたりしてたせいで、もうリングの隅じゃん!
まずい、中央に戻らないと!!
またさっきみたいに、一気に力を入れて押し返して……!
「えいっ!」
やった、押せた!!
って、あれ?
「うわあ!!」
いきなり力抜かれたせいで、よろけちゃったよ!
まずい、このままじゃ攻撃もろに受けちゃう!!
…………。
…………。
あれあれ?
攻撃来ない……?
このまま剣振りかぶられたら、絶対にあたし当たってたのに。
というか、目の前に居ない?
んん?
「サヨウナラダヨ」
声が頭上から聞こえてくる……?
あたしは体勢を崩したまま、ゆっくりと目線をあげていく。
…………。
…………。
「ひぃぃぃっ!!」
な、なにこれ!!
杖の先に巨大な……、氷の塊が集まってる!!
まさか……。
げげ!
そのまさかだよ!
あたしめがけて落としてきた!!
ひー。
あの氷の塊、どうみてもリング全体はある!
どこにも逃げられない……!
どうしようどうしよう!!
このままじゃ押し潰されちゃう!!




