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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 34 魔法少女になった百合作家、魔法少女の心を掴む 1~2日目
285/420

34-2

 円形闘技場内、選手控えの個室にて。


「よっしゃ! 腕がなるな!」

 エレナが張り切っている。

 あの、あたしが出るんだけども……。


「うふふ、頑張って下さいね」

 セフィリアも応援にかけつけてくれた。

 優しい笑顔だね、良きお姉さんって感じだね。


「最初の対戦相手はフランシーヌって奴だな。セフィリア何か知ってるか?」

「はい」

 おお!

 相手の情報が分かるなんて!

 是非聞かないと。


「フランシーヌさんのお父様が十字聖教の熱心な信者さんなので、何度かお会いした事あります」

 なるほど、そういう繋がりなわけね。


「MA学園を卒業して魔法少女になったのは私達よりも少し前ですね」

 ふむふむ、先輩なわけかぁ。


「ランクは確か……76とお聞きした事がありますね」

 数字だけ見ると、そこまで高くないのかな?

 でも油断は出来ないよねえ。


「好きな食べ物はくるみ入りのクリームシチューのパイ包みです」

 ん?

 好物……?


「趣味は――」

「ちょ、ちょっとまった!」

「なんでしょう?」

「あの、戦いで有利になる情報は……? 使う魔法とか、戦法とか」

「ありませんねえ、うふふ」

 ええええ……。

 それって、今聞いても意味ないじゃん……。


「ま、関係ねえだろ。全員倒す。それだけだ」

 いやまあそうなんだけども。

 それが簡単に出来れば苦労はないわけで。


「俺はちょっと他の試合みてくる」

「う、うん。お願いね」

 はぁ……。

 めっちゃ不安。


 というか、あたし元々作家だし!

 こんな戦いとか無縁なんだよ!

 なのに……うぅ。


「頑張ってくださいね。ふふ」

 セフィリアの手が温かい、そして顔近い。

 ちょ、ちょっとどきどきしちゃうね!



 それからしばらくの時が経った後。


「エステレラさん、出番です」

 兵士の人が呼びに来た。

 いよいよあたしが戦う時……!


 もう逃げられない。

 ここまで来たらやるっきゃない!

 エレナの言う通りだ、相手を倒すだけだ!

 負けるなあたし!

 がんばれあたし!

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