34-1
魔法少女チャンピオンシップ当日。
都内、円形闘技場。
控えの間にて。
「すげえ気迫だな」
今回は応援役のエレナと一緒に、控えの間に入ったあたしだけども。
参加者の魔法少女の雰囲気が、ピリピリしてるというか、なんか居心地悪い……。
「みなさま、お集まりくださってありがとうございます」
さらに、いつもは元気ではっちゃけている、ギルド受付のお姉さんの雰囲気がどこか違う。
それだけこの大会が、普段の依頼とは違うって事なのかな?
「本大会の説明をさせていただきます」
なんかギャップがあるせいで、ちょっと近寄り難いというか。
他の魔法少女の人も近寄り難いし。
怖いかも……。
「ルールはみっつ。対戦相手を殺さない事、対戦相手を魔法で負かす事、戦いから逃げない事です」
これはバトル漫画であるあるな感じだよね。
まあ、予想通りかな。
「リングの上から出た場合、理由はどうあれ失格となります」
倒せなかったら、無理矢理場外にするって作戦もありなのかぁ。
うーん。
「本大会の賞品ですが、大会はトーナメント方式の1対1で行われます。より勝ち抜いた方には相応の魔法少女ランクをお約束します。そして優勝された方には、ランク1位に加えて副賞としてマグパ100万ポイント付与させていただきます」
100万はすごいなぁ……。
優勝……、無理だろうね!
でも、いい成績おさめないと。
「以上です。それでは対戦組み合わせを始めさせていただきます。現在ランク1であり、前回大会優勝者であるミレーユさんの位置は固定となります」
前面には、MA学園でも使われていた装置で、映像が出されていた。
……これが出来てるって事はアニメとかも作れそうだけど、なんでみんなやらないんだろ。
おっと、今は作品の事よりも大会に集中しないと。
なになに……、ミレーユはトーナメント表の右ブロックの一番端なのね。
「他の魔法少女の方は、順不同で名前をお呼びしますので、呼ばれた方は好きな位置を指定してください」
枠はえっと……、32人。
ブロックが2つに分かれていて、最終的にブロックで勝ち抜いた人同士戦う。
つまり6回戦う感じかな。
出来ればミレーユと同じブロックは避けたいところ。
「では、――さん」
というわけで、対戦相手を決めるために魔法少女の名前が呼ばれていく。
みんなあたしと同じ考えなのか、ミレーユが居るブロックは避けてるね。
そんな感じで、ミレーユがいないブロックが埋まっていく中。
「では、レティシアさん」
チーム・プリズムのリーダーであり、強豪のひとりであるレティシアの名前が呼ばれた。
この人と同じブロックも避けたい……。
でも、ミレーユと同じところへ行くとも思えないし。
って!
うそ!
「おお……」
「本気か……」
ミレーユと同じブロックに入った!
さすがに1回目の対戦相手ではないけども、右ブロックもう片方の端っこだよ!
ひええ、右ブロック勝ち抜くとか無理……。
それからも対戦を決めるトーナメント表は次第に埋まっていった。
意外なのは、右ブロックを敢えて選ぶ人が居るって事だった。
余程の腕自慢なのかな?
そして……。
「エステレラさん、こちらへ」
いよいよあたしの番だ!
さて、どうしよう……。
「まぁ、左ブロックの空いているところへ行くしかないな」
「そうだね」
といっても、左ブロックで空いてるところはもう少ない。
さてどうしよう。
どれも名前は聞いたことない人だ……。
ええい!
分からないなら何選んでも同じでしょ!
「ここで……!」
「かしこまりました。左ブロック3回戦目ですね」
き、決めたぞ。
初戦の相手は……、フランシーヌって魔法少女みたい。
どんな子だろう?
そう思いつつ、トーナメント表は次第に魔法少女の名前で埋まっていき……。
「……以上で、トーナメント組み合わせは終了です」
全員決まったみたい。
どれどれ……うわ、リゼットも参戦してる!
しかもあたしと同じブロック……。
おや、フロリアンナって名前、先生も来てるのかな。
うーん、一筋縄ではいかなさそうだね……。




