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…………。
…………。
「……グ装……了、……法力……液……填開始」
とおくから、こえがきこえる。
「装填10%……20%……、脳……数70、感……係……55、正常……定」
あれ、あたしどうなっちゃったんだろ?
「装填50%……60%……、……方のシンクロ……始」
わからないけど、なんかからだにちからがはいらない。
こえ、とぎれてる。
なんだろこれ。
「装填80%……100%、……装……完了。……バースト……、…………始」
でも、なんかすごくあたたかい。
あたたかくって、きもちいい。
…………。
…………。
なにこのかんじ。
むねのなかから、わきでて……。
「感……係……80、……者の高揚を……」
…………。
…………。
あ、あたまのなか、まっしろに……。
…………。
…………。
「はっ! ここは……?」
あ、あれ?
天井が見える……?
あたし一体何を?
「エレナ!」
「ん……、ああ、ゆきか」
おお!
エレナが隣に寝てる!
いやん///
じゃなくてっ!
なんでエレナが横で寝てるの?
しかもここ、学園長の執務室……?
「お疲れ様でした。もう帰っていいですよ」
えっ、いや、帰っていいですよって言われても。
確かあたし、学園長に呼ばれて執務室へ行って……。
あれ?
結局、寝てただけのような?
「わかった。じゃあな」
えっ。
そこすんなり帰っちゃうんだ。
あぁ!
エレナ待ってよー!
都内、聖百合教本部へ帰る道にて。
「ゆき。これ見ろ」
「ん?」
エレナ、杖なんて出してどうしたんだろう?
「これで俺らが眠っていた時に、何されたか分かるだろ」
「おお! 例のあれだね」
あたしとエレナが学園長に会う前にかけた魔法。
それは、自分の身に何が起きたか記録する魔法だった。
セフィリアにこっそり習ったみたいで、実戦初投入みたいだけども。
うわっ!
杖の先から映像が出てきた!
しかもこれ、エレナやあたしの視点じゃなくって、少し離れたところで見ている感じだ。
でも、この感じだと魔法は成功しているみたいだね。
どれどれ……。
学園長、なにやったんだろ。
あれ?
映ってる風景、執務室じゃない。
ここって、学園地下探索した時に見つけた、たくさんのひな人形があった場所に似ているような?
えっ。
うそ……。
「な、なんだこりゃあ!!!」
「ひええ、これって!!」
おちょ!
あたしとエレナが、透明の液体が満たされたガラスケースの中で抱き合ってる!
しかも裸で!!
絶妙な角度なのと、足少し曲げているお陰で大事なところは見えないけども……。
なにやってるの!
「プラグ装着完了、魔法力溶液装填開始」
「装填10%……20%……、脳波指数70、感情係数55、正常判定」
「装填50%……60%……、双方のシンクロ開始」
「装填80%……100%、溶液装填完了。レズバースト装置、作動開始」
そのガラスケースの中の液体の色が、透明から薄緑色へだんだんと変わっていって……。
「感情係数80、被験者の高揚を確認」
うひゃあー!
ここで書いちゃうといろいろとまずい事が起きてるよ!!!
やめてー!
これ以上映像見てたら恥ずかしすぎて死んじゃう!!!
「ちょ、ちょっと! これ以上はだめー!」
「わかった! わかったよ!」
エレナは慌てて記録された映像を止めると、杖をしまった。
「……で、なにこれ」
「し、知るかよ///」
「なにやってたのあたしたち……」
「ま、まあ抱き合っては……いたな」
「///」
「///」
なにさせてるの!
もーー!!
はずかしいはずかしいはずかしい~~~~!




