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32-4

 依頼を受けた当日。

 聖百合教本部、教祖の部屋にて。


「うーん」

 引き受けたはいいけども、斬新な絵ねえ……。


「うーーん」

 あたし絵は好きだけど、勉強出来る方じゃなかったからなぁ。

 美術の歴史とか、画家とか、技法とかよくわかんないんだよねえ……。


「うーーーん」

 しかも、今回は百合本も使えなさそうだし。

 ジャンル変えても、それってあの人が求めているものと違う気がするし……。


「おーっす!」

「ごきげんよう、ゆきさん」

「エレナ、セフィリア」

 おや、ふたりが部屋に入ってきた。

 どうしたんだろ?


「悩んでるな?」

「あらあら……」

「う、うん。中々いい案が出なくってねー」

 そうなんだよ。

 こんなことなら、もうちょっと勉強しておくべきだったかも……。


「俺に出来る事があれば手伝うぞ」

「ふふ、私もですよ」

「ふたりとも……」

 おお、なんて優しいの!

 持つべきものは夫と仲間だね!


「じゃ、じゃあ早速お願いしてもいいかな?」

「おう!」

「はい、なんでしょう?」

 このまま机に向かってても時間を浪費するだけだし。

 折角みんな手伝ってくれるなら……。


 そんなわけであたしは、ふたりを連れてある場所へと向かった。



 MA学園内、資料室にて。


「ここでこの世界の芸術に関する資料を集めてきて欲しいんだ」

「なるほど、確かに斬新な物を生み出すには、何があるのか知る必要がありますからね」

 詳しくやってたら時間ないけども、せめて何があって何がないかくらいは……。


「うっし、じゃあやるか」

「うんうん」

 学園卒業者も利用していいのは、正直助かったかも。

 あとは、学園長だけども……。

 今会ったら気まずいからなぁ。

 どうにか会わないように……、会わないように。


「何をやってるのですか?」

 ひっ、その声……。

 あまりみたくないけど、恐る恐る振り向いてみると……。


「こんにちは、ゆきさん」

 げげ、ソフィア学園長!!

 やば、会っちゃったよ……。


「おーいゆき、これって使えるか見て……」

「こんにちは、エレナさん」

「学園長……」

 ほら!

 エレナもなんか微妙な反応してるよ!!


「ゆきさん、歴史の資料も併せてみると分かりやすいかもしれませんよ」

「こんにちは、セフィリアさん」

「あら~」

 ほらほら!

 セフィリアだって、あらあらって感じじゃん!!


 うう、どうしよう。

 何も調べず逃げる……?

 でもそれやってもまともに資料が揃ってる場所、他には知らないし……。

 うーんうーん。

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