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32-2

 都内、貴族の屋敷が並ぶ区画内。


「やっぱ貴族の家はすげーな」

 ここに来るまでの家もみんな大きかったなぁ。

 なんか掃除中のメイドさんに挨拶されたり、飼ってた犬に吠えられたり……。

 聖百合教の周りは商業区画で、魔法少女ギルドの周りも似たような感じだから、こういう場所って意外と馴染みないかも。

 ここに居ると、意外とこの世界って平和なのでは?って思っちゃうよね。


「ここが依頼主の家ですね」

「ほおほお」

「でかいな。庭師がいるぞ」

「本当だ」

 それで、今回の依頼主さんが居る家なんだけども。

 うーん、大きい。

 聖百合教本部もすごいけど、やっぱ貴族の家は立派だねえ。

 ミカエルの家もこんな感じなのかな?


「こんにちは魔法少女さん達、今日はどのような御用でしょう?」

 おっと、人のよさそうなおばちゃんメイドが話しかけてきた。


「あの、絵の依頼を受けに来ました」

「あらら~、そうでしたか~! じゃあこちらへどうぞ~」

 あたしは今回の要件を話すと、メイドさんは明るい表情で館の中へ通してくれたので、ひとつだけ頭を下げて中へ入っていく。


「いらっしゃいませ。こちらでお待ちくださいませ」

 こんどは品のよさそうなおじちゃん執事だ。

 うーん、なんか風格あるねえ。


 おっと、この部屋かな。

 中へ入ってっと……。

 うわっ、すごい綺麗な部屋……。

 ピカピカしてるよ!


「ここすげえな!」

「う、うん」

 エレナが盛り上がる気持ちも分かるけども、今はちょっと恥ずかしいかも……。

 と、とりあえず座って待っていよう。

 うーん、こういう世界にも上座とかあるんかな。


「俺ここ座ろうっと!」

「ふふ、私はこちらに座らせていただきますね」

 あーあ、お構いなしだよ……。

 ま、まあいっかな、セフィリアも普通に座ってるし。


 そんなわけで、あたしとエレナは適当な位置に座って待っていると……。


「皆様、ごきげんよう」

 今回の依頼主である貴族の令嬢が客間へ入ってきた。

 おお、フリフリのスカートがふわってしたドレス着てて、髪の毛もゆるふわウェーブだし、いかにもって感じだ……。


「ごきげんよー」

 あたしも立ち上がると相手の挨拶にあわせて、見よう見まねでスカートを軽くたくし上げた。

「うっす」

 エレナはそれをするとパンツ見えちゃうのを知っていたのか、軽く片手をあげただけだった。

 でも、”うっす”は流石にないような。

「ごきげんよう」

 セフィリアはやっぱ様になってるなぁ。

 美しい……。


「まあ! あなたは聖百合教のゆきさんじゃありませんか!! まさか、依頼を受けに来た魔法少女とは……」

「あ、あたしです」

「あらまあ! ゆきさん直々になんて、なんて光栄な事でしょう! 教徒の方に怒られてしまいますわ!」

 あたしの事知ってるなんて!

 いやまあ、絵に興味があるって話だったからこうなるのは当然なのかな。

 やっぱり祭り上げられるのは慣れないや……。

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