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都内、貴族の屋敷が並ぶ区画内。
「やっぱ貴族の家はすげーな」
ここに来るまでの家もみんな大きかったなぁ。
なんか掃除中のメイドさんに挨拶されたり、飼ってた犬に吠えられたり……。
聖百合教の周りは商業区画で、魔法少女ギルドの周りも似たような感じだから、こういう場所って意外と馴染みないかも。
ここに居ると、意外とこの世界って平和なのでは?って思っちゃうよね。
「ここが依頼主の家ですね」
「ほおほお」
「でかいな。庭師がいるぞ」
「本当だ」
それで、今回の依頼主さんが居る家なんだけども。
うーん、大きい。
聖百合教本部もすごいけど、やっぱ貴族の家は立派だねえ。
ミカエルの家もこんな感じなのかな?
「こんにちは魔法少女さん達、今日はどのような御用でしょう?」
おっと、人のよさそうなおばちゃんメイドが話しかけてきた。
「あの、絵の依頼を受けに来ました」
「あらら~、そうでしたか~! じゃあこちらへどうぞ~」
あたしは今回の要件を話すと、メイドさんは明るい表情で館の中へ通してくれたので、ひとつだけ頭を下げて中へ入っていく。
「いらっしゃいませ。こちらでお待ちくださいませ」
こんどは品のよさそうなおじちゃん執事だ。
うーん、なんか風格あるねえ。
おっと、この部屋かな。
中へ入ってっと……。
うわっ、すごい綺麗な部屋……。
ピカピカしてるよ!
「ここすげえな!」
「う、うん」
エレナが盛り上がる気持ちも分かるけども、今はちょっと恥ずかしいかも……。
と、とりあえず座って待っていよう。
うーん、こういう世界にも上座とかあるんかな。
「俺ここ座ろうっと!」
「ふふ、私はこちらに座らせていただきますね」
あーあ、お構いなしだよ……。
ま、まあいっかな、セフィリアも普通に座ってるし。
そんなわけで、あたしとエレナは適当な位置に座って待っていると……。
「皆様、ごきげんよう」
今回の依頼主である貴族の令嬢が客間へ入ってきた。
おお、フリフリのスカートがふわってしたドレス着てて、髪の毛もゆるふわウェーブだし、いかにもって感じだ……。
「ごきげんよー」
あたしも立ち上がると相手の挨拶にあわせて、見よう見まねでスカートを軽くたくし上げた。
「うっす」
エレナはそれをするとパンツ見えちゃうのを知っていたのか、軽く片手をあげただけだった。
でも、”うっす”は流石にないような。
「ごきげんよう」
セフィリアはやっぱ様になってるなぁ。
美しい……。
「まあ! あなたは聖百合教のゆきさんじゃありませんか!! まさか、依頼を受けに来た魔法少女とは……」
「あ、あたしです」
「あらまあ! ゆきさん直々になんて、なんて光栄な事でしょう! 教徒の方に怒られてしまいますわ!」
あたしの事知ってるなんて!
いやまあ、絵に興味があるって話だったからこうなるのは当然なのかな。
やっぱり祭り上げられるのは慣れないや……。




