32-1
それから数日後。
魔法少女ギルドにて。
「エステレラさんは31、ヘルミーナさんは30、アルテミシアさんは26ですね」
「おお!」
ギルドの受付お姉さんは笑顔でそう答えてくれた。
あらやだ、意外とあがってる!
セフィリアとかなり離れてたのに、もうほとんど差がなくなってるね。
「あれ、でもあたしたち、掃討戦で何もしてないような?」
「闇の核と遭遇し生き残ったんです。成果はなくとも正当な評価だと思いますよっ!」
「な、なるほど」
やっぱりひなについて知ってそうな感じはなさそう。
……というか、見捨てられたのは不問っぽいのね。
むしろ、そこから帰ってきたこそのランクアップって感じかな?
「とりあえず、知名度とランクが手っ取り早く上げられるクエストがいいんだが」
「ちょっと待ってくださいね~」
エレナ割と無茶言ってる。
そんな都合のいいの、あるのかしらん?
受付のお姉さんは、水晶を指でなぞってクエスト検索をしばらくの間すると……。
「これなんかどうでしょう?」
受付のお姉さんは棚を探し、依頼が書かれた紙をあたしたちへ渡してきた。
ってあるんかい!
言ってみるもんだね……。
どれどれ……。
■依頼名
絵を描いてください。
■内容
私は絵にとても興味があります。
ですが、既存の絵画に飽きてしまったので、今までにない絵を描いてください。
んん?
絵を描くのが依頼……?
今までにないってどういう意味だろ。
「おお、ゆきにぴったりじゃないか」
「うん」
そりゃぁ、絵は描ける……と思うけども。
なんか内容が引っかかるね。
「でもこれ、知名度あがるのかな」
思わず質問しちゃったけど。
すごく私的な感じだよね?
貴族の令嬢とかだったら、マグパはいっぱい貰えそうだけど、知名度はどうなんだろ?
「この依頼主は国の有力者のひとりなのですよ~」
「ほおほお」
「そんな方を唸らせたら、知名度あがると思いますよ!」
なるほど。
そういう事だったんだね。
「うふふ、ゆきさん向けですね」
「間違いないな、やってみようぜ」
そうだね、今回は危ない事もなさそうだし、しかも作家活動!
よーし、俄然やる気出てきた!




