30-11
「で、何が知りたいんだ? 100年以上も前の英雄譚でも聞きたいのか?」
「まーそれは本読めばいいな」
「つれないな」
「学園の地下には大量のひなが居た。魔法で作ったと言っていた」
「……ほお」
「なんでも愛しい人を復活させるためにやってたらしい」
「なるほど、ソフィアらしいな」
えっ、ソフィアらしいって。
学園長ってそんなにアグレッシブというか、なんというか。
もっと大人しいおちついた感じだと思ってた……。
「でもな、ひなはお前らの事憎んでいた。相思相愛なのに憎むっておかしいだろ?」
「まあ、そうだな」
「だから俺は何かあったんじゃないか?って思ったんだが、学園長は口を割らなかった」
「ふむ……」
やっぱりその事を聞くと、学園長と同じですごくばつの悪そうな顔してる。
「何か知ってるか? 知ってるなら教えてくれ」
それだけ言いたくないって事なのかな?
それとも、他に何か理由があるのかな……。
「質問を質問で返すようで申し訳ないんだが……」
アルキメディスは、帽子のつばを少しだけあげてこちらをしっかり見つめると……。
「知ってどうする? 民衆に語るのか? それとも好奇心か?」
突き刺すくらい強い光を宿した瞳で、こちらへと問いかけてきた。
真実の内容を聞いてないから、なんともだけども。
なんだろう、別に言いふらしたいとかってわけでもないし。
好奇心はあるけども、主目的はそうじゃなくって。
うーん。
元々は学園長が怪しいとか、魔法少女が記憶や感情の改ざんをしている理由が知りたくて。
いろいろ探しているうちにこんな大それた事になっちゃって。
今もそういうのは気になるけど。
ひなと出会って、あたしはある事を思ったんだ。
だから……。
「どっちも違うな」
「そうですね」
「全員が同じ気持ちですよ」
「うんうん」
「じゃあなんだ?」
あたしはアルキメディスの問いかけに、ひと呼吸おいた後。
「ひなを、救いたいんです」
彼女をしっかりと見据えて、そう答えた。
憎しみの理由はわからない。
でも、闇になってしまったひなを救えるなら救いたいと思ってるよ。
同じ異世界転生者ってのもあるし、昔はこの世界を救った勇者だし……。
そんな子を、このままにしとくのは納得いかないよ。
エレナ、セフィリア、ミカエル。
みんなも何も言わない。
という事は、あたしと同じ気持ちかな。
「あ、あとっ」
「なんだ?」
それともうひとつ!
手記を読んだ感じ、伝説の勇者パーティって全員女の子なんだよね?
しかもみんな仲がいい!
だから、えっと。
ちゃんと話を聞いて、その……、本にしたいなって思って///
あと、百合について語り合いたいかも!
で、でも。
今はそれどころじゃないよね。
あああもう!
あたしったらこんな時に何考えるのー!
「……やっぱなし! なんでもないです!」
「歯切れの悪いな」
「ごめんなさい……」
「まあいい、話してやる。聞いて後悔するなよ?」
「はい!」
おお、ついに真相が明らかになる。
いよいよだ……!




