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4-5

「ところで、試験って内容はどんなんでしょう?」

 まさか入学の時の舞踏会みたく、みんなでサバイバルバトルとか……?

 いやいやいや!!

 今度こそ絶対に勝てる気しないよ!!


「詳しくは言えませんが、試験は二人ペアになって受けてもらいます」

 おお、まさかのペア!

 ほ、それなら大丈夫かな……。

 強い人と組めばなんとかなりそうかも。


 あれ?

 フロリアンナ先生って確かこういってたよね?

 ”最初の試験の成績上位3名はグランドリリィ決定戦の出場権が与えられ、合格点に至らなかった者は退学となります”って。

 ペアだと上位3名ってどう決めるんだろう?


「ですが、評価は個別に行われますので、便乗して評価が高くなるという事はありませんよ」

 ぐぅ、あたしの作戦がすぐ潰えてしまった……。

 まぁそうだよね。そんなうまい話はないよね。


「それじゃあ早速ですが、魔法の勉強を始めましょうか。今日のフロリアンナの授業は終わっているので、もうお手すきでしょう?」

「う、うん」

 それにしても、どうして学園長はここまであたしの面倒を見てくれるんだろ?


「学園長」

「はい」

「どうしてあたしに、ここまで優しくしてくれるのです?」

 現世でまともにあたしと話をしたのなんて、家族以外だとさくやくらいだった。

 いじめられるとか、さすがにそこまでは無かったけれども、学校でもあたしは浮いていたし。

 そのお陰で同人活動に専念できたから、それは……いいんだけども。


「ちょっとこちらへ来てください」

 えー、あたしの質問スルーされた……。

 なんか執務室の奥にある部屋に来いって言ってるし。

 はいはい……、分かりましたよっと。


 あたしはしぶしぶと、執務室のさらに奥にある学園長の私室と思わしき部屋へ通された。

 そしてそこで見たものは……。


「あーー!! これって!!」

 なんと、そこには木製のトルソーに着せられたアリスがあったのだ!

 しかもこれは3代目の衣装!

 な、なんでここに?


「ちょっとだけなら良いでしょう。ゆきさん、試しに着てみてください」

「え? いいの……?」

「はい」

 う、うそ。

 あたしがアリスを着れる!

 ゆ、夢みたいだ、学園長いったいどうしちゃったの!


 あたしは戸惑いながらも、衣装をトルソーから外していく。

 触り心地がとてもいい。

 重さは、普通の衣装よりもちょっと重いかな?

 これだけフリフリしているから、あたりまえかも……?


 ドキドキ……。

 ああ、胸が高鳴る。

 こんなの初めてコスプレした時以来だよ。


 そう思いながら、あたしは学生服を脱いでアリスへと着替えていく。


「おお……、おおお!!!」

 そして着替え終えたあたしは、試しにその場でくるっと回った。

 すごい、スカートがふわっとしてる!

 めっちゃかわいい!!

 うわあ、すごいかわいいよお!!!


 それになんだろう。

 なんかすごく……ドキドキしてる。

 魔法力があがるって聞いてたから、それが原因かな。


「とてもよく似合ってますね」

「そ、そうかな……えへへ」

「今期のアリスはさらにデザインが愛らしいですよ」

「お、おお!」

 なるほど、学園長はあたしのやる気を引き出すためにこんな粋な計らいをしてくれたわけだね!

 よ、よし……。

 頑張るぞ!

 ミカエルがなんだ!

 魔法力50000がどうしたっていうんだ!!


 こうして再び学生服に着替え直した後、ウキウキな気分のまま学園長直々の授業を受けた。

 授業はとてもハードで、夜遅くまで続いた。


 あれ、あたしの質問スルーされたままだ。

 まぁいいや、今は勉強頑張ろう……。

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