30-9
まさかのエレナの名推理!
学園長の真相が明らかに……なるかも?
そう思っていた時。
「……がわかるの」
「あ?」
「あなたに何が分かる!!!」
学園長であり、かつての勇者の仲間であったソフィアは、握った拳を震わせたままそう叫んだ。
「お、おい……」
しかもその時の顔は、いつもの年不相応な落ち着いた感じじゃなくって、年相応の子供のようだった。
「その通りよ、私はひなを愛していた!!!」
い、いや、そんなに怒らなくても……。
ちょっと、図星だったからって……。
お、おちつこう?
ね?
「もういちど、ひなに会いたかった! 話をしたかった!!」
わかったから、あなたがそこまでひなの事好きなのわかったから……。
急にどうしちゃったの?
「あんなに愛してた! 愛し合ってた! それなのに……、それなのに……!!」
しかも涙目になってるし……。
そこまでひなのこと、好きだったんだね。
「……で、何があったんだ? 俺らはそれを知りたいんだ」
でも、そこまで思いあってたのなら、どうしてひなはあんなに学園長や他の仲間を憎んでいるんだろう?
エレナが知りたいのもそれだよねきっと。
「フフ……、フフフフ……」
ひっ、泣きそうになってたと思ったら急に肩振るわせて笑い出した……!
なんなの!
「あなた方にどうして話す必要があるのです?」
ひええ、学園長の顔がこわい。
なんかこう、悲しいとか怒っているとかじゃなくって。
うーん、狂気……?
と、ともかくやばいよ!
「さあ、もうここから立ち去りなさい。今ならここへ立ち入った事は不問にしましょう。ですがこれ以上ここに留まるというならば、……わかっておりますよね?」
「わかったよ、出て行く。いくぞ」
うんうん、その方が良いね。
ここはいったん退散しよう。
立ち入り禁止の場所に入って許してくれるいまのうちに……。
そんなわけであたしたちは、入った道を戻っていきここから出て行った。
都内、人気の少ない広場にて。
「意外とすんなりと引き下がりましたね」
「あの時の学園長の目は本気だった。あのまま居たら俺らは何されるか分からなかったからな」
「そうですね。あそこは引いてよかったと思います」
やっぱりそうだよね。
あの時の学園長、なんか様子がおかしかったもん。
「それで、これからどうするおつもりですか?」
結構やばい情報を手に入れたんだけども、それでもまだ核心に至らないって感じなんだよねえ。
なんかこれ以上首つっこむのも危険な感じするけども……。
何もかも忘れて作家活動してたほうがいいような気もするけども……。
それでもひなの事とか気になるしなぁ。
「もうひとり、心当たりがある。ついてこい」
他にも100歳超えの人居るのかな?
心当たりないけども、ついていってみよう。
今日のエレナは大活躍だね!




