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30-7

「教えてください」

 ん?

 ミカエルどうしたんだろう、そんな真剣な顔して。


「なんでしょうか」

「この計画は学園長の私的なものではないのですよね?」

「……はい。国の協力を得ています」

 ひえ、国家ぐるみでやってるなんて。

 人体を作るのはやっちゃいけない事って言ってる手前、そりゃばれたくないよね……。

 こんなの知れたらパニックになるもん。


「あなたは計画に加担していた、あるいはあなたが発案者だった。だから罪の意識を感じていると」

「はい」

 うーん。

 ひなが蘇ったら、闇との戦いだって有利になるのは分かってるし。

 でも死んだ人を作っちゃうのは駄目だし……。

 うーんうーん、むずかしい。


「納得いかねえな」

「えっ?」

「学園長、あんた嘘ついてるだろ」

 おちょっ。

 エレナ急にどうしたの。


「こんな突拍子もない事、信じろだなんていいません。ですがこれが真実なのです」

 そうだよ。

 ひなを蘇らせるって聞いた時は驚いたけどもさ。

 国家ぐるみで禁忌を犯しているなんて、そりゃ厳重に隠すよ。


「エレナさん、どういうことです?」

「これだけどよ」

 それって、さっき本棚にあった日記!

 いつの間に持ってきてたの……。


「学園長、ひなに会いたかったんだろう?」

「…………」

「エレナ、そりゃあ会いたいよ。伝説の勇者だし」

「いんや、そうじゃねえな」

 どういう事……?

 勇者を復活させて魔王やっつけた時みたいに闇も晴らして欲しいって事じゃないの?


「好きだったんだろ、ひなの事」

「…………」

 えっ?

 学園長が勇者の事好きだった……?

 というか、どうしてそんな事知ってるの?


「エレナ、どこでそれを……?」

「前にどこかで聞いた事あるなって思ったんだよ。その時は気にも留めなかったからスルーしてたし、ほとんど忘れてた」

 エレナは腕を組んだまま、唸りつつもそう言っている。

 つまり、本当に忘れてたみたい。


「だから思いだすのに時間はかかったが、ようやく思いだせた」

 でも、どこから聞いてきたんだろう?

 エレナの性格から、交友関係広そうな感じではあるけども。


「あんたの名前はソフィア、かつて勇者の仲間のひとりだ」

 えっ……?

 ええええええ!!!

 学園長が勇者パーティのひとり!!


 じゃ、じゃあ100歳ってのも本当……?

 う、うそ。

 どうみても幼女だよ!!

 なんで、どうして……。

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