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4-4

「うーん……。別にあたしじゃなくても、他にもいっぱいいますよね? ミカエルとか……」

「確かに彼女は優秀です。順当にいけば、グランドリリィに選ばれるのは彼女でしょうね」

 なんか新しい単語が出てきた。

 そういえば、フロリアンナ先生も言ってたような?

 一体なんだろ。


「そのグランドリリィってなんでしょ?」

「MA学園の首席にのみ与えられる特殊な称号ですよ」

「ほおほお……」

「あとはグランドリリィ専用の魔法少女衣装・アリスシリーズも与えられます」

「アリスシリーズ……?」

「ここの学生が魔法少女になった時、特別な衣装を各々に与えるのですが、アリスの名前を冠した衣装は別格なのです」

「すごい力があるとか……?」

「はい。着れば自らの魔法力を何倍にも何十倍にも高めてくれます。国の宝物ランク3・アーティファクト級にも指定されるくらいの逸品ですよ」

 そんなすごい衣装があるなんて!

 確かに首席に選ばれるくらいの魔法少女が、さらに衣装で強くなれば無敵だよね。


 それにしても首席に、専用衣装かー……。

 あたしには無縁だね……。


「過去のグランドリリィに与えられた衣装はこんな感じですね」

 そう思っていた時、学園長は人差し指を空中にかざすと、その先に歴代首席の魔法少女姿が映し出された。


 おお!

 アリスってだけに、不思議の国のアリスが着ている水色のエプロンドレスがベースっぽいけど、いろいろフリフリだったり、ひらひらだったり、ふわっとしてたりしていて、とても可愛い!

 ロリータ趣味とか、コスプレ大好きってわけじゃなかったけれども、この衣装デザインはイイ!!

 いいなぁ、こんなの着てみたいなぁ……。


「でもあたし……、魔法使えないし……」

 そうなんだよね。

 あたし、魔法一切使えないんだよね。

 魔法が使えなきゃ首席なんてまず無理だしなぁ……。


「それなら大丈夫です。10日もあれば十分使えるようになりますよ」

「本当かなぁ……」

 仮に10日で魔法使えるようになって、魔法力10のあたしが50000のミカエルにどう勝てばいいのやら……。

 やっぱあたしじゃあ無理なんだよね。

 売れない同人作家が魔法少女とか突拍子すぎるもん。


「なら、私が直接指導して差し上げます。どうでしょう?」

「えぇ!? いいの……?」

「本来はいけない事ですが……。今回だけ特別ですよ。ただし他言無用でお願いしますね」

「うーん」

 学園長直々の指導……。

 それならいけるのかな……。


「それでも魔法少女としての才が見えない場合は、次の試験でしかるべき結果になるでしょうからね。それまでは騙されたと思ってやってみてもよいかと私は思います」

「う、うーん」

 確かに、別に何年もずっと軟禁生活やれってわけじゃないよね。

 頑張ってみて結果が駄目だったらそのまま脱落、退学なわけだし。


「……分かりました。じゃあ次の試験まで頑張ってみます」

 だからこの人の言う通り、10日だけでもやってみよう。

 折角教えてくれる言ってるからね。

 それに、もしも首席になれれば、あの可愛い衣装が着れるわけだ。


「期待しておりますよ」

 学園長は満足気な笑みを見せたので、あたしも一度だけ頭を軽く下げて笑顔を返した。

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