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29-6

 ブランディとパトリシアに即売会を任せたあたしたちは、聖百合教へ向かう人たちにばれないようにしつつ、学園へと向かった。


 ……だけども。


 ”本日、関係者以外入場禁止”


 現地へ着くと、MA学園へ入る入り口にはそう書かれた木製の看板が立てかけられていた。

 もちろん、扉も固く閉じている。


 えぇっ。

 これって中に入れないって事……?

 なんで、どうして。

 ちょっと近くの兵士さんに聞いてみよう。


「あの、これは……?」

「あぁ、今日は学園長や教師役の魔法少女が不在なので、立ち入りを制限すると命令があったのですよ」

 そんなあ!

 なんて間の悪い……。


「卒業生のエステレラさん、ヘルミーナさん、アルテミシアさんですよね? お急ぎでしたら学園長お呼びしますがどうでしょう?」

「あっ、大丈夫です。また後日出直してきます!」

 これから潜入して、学園長の秘密を解こうって時に本人呼ばれちゃだめだよ……。

 あんまし長居しても不審がられるだけだし、いったんここから離れよう。



 学園から離れた広場にて。


「困りましたねえ」

「うん」

 折角のチャンスなのに、このまま何も出来ないのかな?

 ううう……。


「何辛気臭い顔してるんだ?」

「だって! 学園に入る道がないんだよ!」

「じゃあ水路から入るしかないな」

 そういえば!

 そんなのがあったね。

 エレナ、よく覚えてるなあ。


「まー、このままじゃ何もならんからな。行くだけ行ってみるか」

「それもそうですね」

 というわけで、あたしたちは急いでMA学園に通じている水路へと向かった。



 都内の水路入り口にて。


 話には聞いていたけど、実際に初めて来た。

 MA学園の裏にある、水路の入り口。


「うーん」

 トンネル状になっている水路は、真ん中に水が流れていて脇が人ひとり通れるくらいの通路がある。

 奥は真っ暗で何も見えない、もちろん明かりも無い。

 人の往来が無いせいか、石造りの床にはコケがついていて気をつけないと滑ってしまいそうだし、天井は蜘蛛の巣が張られている。


「この都は、住民への水の供給もそうですが、避難経路あらゆる場所に水路が走っています」

「ああ、そうだな」

「勿論、MA学園にも通じているのですが……」

「……にしても、なんかあれだな」

「いかにもって感じがしますね」

 そんなただでさえ不気味な雰囲気を醸し出している水路なんだけども。

 ちょうど入り口のところに、格子状の扉が取り付けられていて先へ進めなくなっている。


「ちっ、鍵壊れやしねえ」

「あらあら、困りましたね」

 こういう時って、エレナはこっそり鍵を壊すんだけども、それも今回は駄目みたい。

 いや、本当はやっちゃだめだよ。うん。


「そこで何をやっている?」

 後ろから声!!

 入ろうとしてたのがばれたっ!

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