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29-3

「でも、ほらあの幼さで学園長だよ? 入学の時もすごい回復魔法使ってたし……」

「確かに、見た目と立場や能力が一致していないのは認めます。ですが仮に100歳を超えた方だとして、若返る魔法なんてあるのでしょうか?」

 う、うーん。

 セフィリアの言葉にみんな黙っちゃったってことは、そんな都合のいい魔法は無いって事なんだよね。


「結局、手がかりはあってないようなもんかー」

 なんかこう、分かりそうな感じだったのになぁ。

 ざんねん。


「セレラインが私の祖先であり、ソフィア、アルキメディスが他の仲間の名前……」

 ミカエルに聞いて分かったのはそれだけなんだよね。

 せめて、誰がどの職業なのかも分かればいいのに。


「他に何か知ってそうな方の候補は?」

「ないなー」

「ありませんねえ……」

 過去の英雄について詳しい人かぁ。

 うーんうーん。

 打つ手なし……かなぁ。


「ミカエル様、お時間です」

「今日はここまでにしましょう」

 時間も無くなっちゃった。

 いったんはここまでかぁ……。


「ゆきさん、もう一度手記を貸していただけませんか?」

「あ、うん。今ちょうど持ってきたから渡すね」

「ありがとうございます」

 というわけで、何の手掛かりも得られず。

 あたしは手記を手渡すと、ミカエルとウィーンは早々と部屋から出て行った。



 その日の夜。

 聖百合教、私室にて。


「うーん」

 あたしのこの魔法少女衣装。

 昔の勇者ひなと同じ……。


 ひな、何を考えてああなっちゃったんだろ……。


 あたしと話し始めた時の顔。

 あの時だけは、普通の女の子の顔だった。


 うーんうーん。


「何魔法少女の格好になってるんだ?」

「うわああっっ!」

 ひっ!

 いつのまにかエレナがいるし!!


「もー! ノックくらいしてよー!」

「はぁ!? 俺はしたぞ! ゆきが気づかなかっただけだろー」

「えぇ、そうだったの」

 うっ、まさか気づいてなかっただけなんて。


「で、どうしたんだ?」

「うーん」

 実は他の仲間には打ち明けてない、個人的に気になっている事があった。

 何の確証もないし、有益な情報でもないから言わなくてもいいかなって思ってたけども。

 エレナになら言ってもいいかな。


「ひなちゃんの表情がどうしても気になって……」

 あたしと同じくらいか、ちょっと下くらいの見た目の子だよ?

 そんな子が、世界が憎いとか言っちゃってる。

 しかも仲間だった人たちの名前を言いながらだよ?


 あと、あたしに対して何もしなかったってのも謎だよね。

 世界を闇で覆うのが目的なら、あの時あたしだろうが何だろうかお構いなしってするはずなのに。


「この勇者の手袋も、元々ひなちゃんのものなんだよね?」

「そうだな」

 あたしはひなの手袋をつけた手を見つめる。


 この手袋、隠したのがひなだったんだよね。

 で、もう片方は学園長が持っていた。

 誰も信じてくれないけども、学園長は100歳超えている。

 だからひなとのかかわりがあるかもしれない。


 というか、手袋の片方を持ってたからかかわりがあるって考えるべき……。


「なあゆき、ひとついい方法思いついたぞ」

「なんだろ?」

 ん?

 エレナがにやにやしてる。

 何かいい事でも思いついたのかな。

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