28-15
…………。
…………。
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…………。
う、うーん。
あれ?
…………。
…………。
ここ……どこだろ。
天井が見える、どこかの建物なのかな。
「ゆき! 目が覚めたか!」
んん?
エレナがいる。
しかも心配そうな顔して、何かあったのかな。
「ゆきさん。良かった……」
おや、セフィリアも心配そうだ。
ふたりしてどうしたの。
「お前ずっと寝てたんだぞ」
「ふむふむ」
「もう3日も眠りっぱなしだったので、目覚めないのかと……」
みっかも寝てたんだあたし……。
そんなに時間経ってたんだね。
「そうだ! ここは? もしかして……」
「なんだ? 天国じゃないぞ? 聖百合教の本部だ」
ほっ。
どうやら生きて帰ってきたみたいだね。
エレナやセフィリアも元気そうだし、一安心だよ。
あれ?
あたしたちって確か、闇に飲みこまれたような?
「ひなとの会話の後、意識を失った私達は第4拠点の門の前にいたのですよ」
な、なにがなんだかよくわからないけども……。
助けるって言葉、本当だったんだね。
うーん。
それにしても新事実がいっぱいだよ。
勇者があたしと同じ異世界転生者で、しかも同じ国で、さらに闇を生み出している張本人だったなんて!
で、動機が復讐って。
もー、訳が分からないね……。
「まあ、無事に帰ってこれたのは本当に儲けものだった。俺ももう駄目だと思ったからな」
「そうですね」
とりあえずは、みんなが無事で良かったよ。
やっぱあたしたちには、あたしたちに相応しい依頼を受けていくべきだったね……。
「で、それはいいんだが」
「エレナさんの考えと私の考えは同じです」
「ひなが言ってた言葉、気になるよな」
「ええ、確かにソフィア、セレライン、アルキメディスって言ってましたね」
むむ、なんか切り替えが早いぞ。
あたしまだ寝起きだからいまいち頭働かないんだけども……。
えっと、ひながなんか物騒な事言ってた時だよね?
「かつての勇者が告げた3人の名前、感じからして恐らくは女性。という事は……」
「という事は……?」
いきなりふられても。
な、なんだろ。
「にぶいなー! 勇者パーティの名前、つまり今まで分からなかった僧侶、魔法使い、戦士の本名って事だろー!」
「おお!」
なるほど、そういうことね!
日記からも翻訳できなかった本名がついに!
って、でもそれって大昔の話だよね?
3人とも生きているの……?
ん?
セレラインってどこかで聞いたような……。




