28-9
ごめん、何が何だかよく分からない。
世界を救った勇者が闇を生み出した?
それってどういう事なの……。
「困惑しているかな。まぁ仕方ないよね」
しかもあたしの2Pカラーとか!
そりゃ困惑するよ!
ありゃ?
あたしの方が後だから、むしろあたしが2Pカラーか!
ってそんなん考えている場合じゃない。
「で、あれどうするんだ? 撤退するか?」
トップランカーのチームメンバーがふたりも犠牲になっている。
エレナの火炎であの爆発っぷりだったら、魔法力お化けの人らが攻撃なんてしたら……!
「余がいく」
「トリニティ!」
んー!
やっぱりそうなるんだよね……。
でも、魔法で誘爆するんだったら魔法力の高い人がやると危ないよ!!
「いくぞ!!!」
って持ってた大きな十字架を振り下ろして……、そのまま叩きつけた!?
まさかの魔法(物理)なんて!
うわぁ、すごい音なったよ……。
痛そう……。
「…………」
物理は誘爆を起こさないのか、さっきのような爆発はないんだけども。
闇の核はびくともしない。
あんだけ音鳴ったのに。
そういえば、核から出てきた魔法少女はどうなったんだろ。
さっきの爆風で一緒に吹き飛んじゃったのかな?
「硬いな」
ゴシックのメンバーであるトリニティが間合いを開けた。
そりゃ、あんな大きな得物でも駄目だったら引くよね。
やっぱり撤退なのかな?
そう思っていた時。
「少し離れた方がいいわね」
ん?
ミレーユが後ろに数歩下がったよ?
どうしたんだろ。
「うおおおおお!!!!」
ひっ、なんかいきなり気合入れだしたよ!
しかもすごい風圧と、なんか光の粒が混じっている……?
「す、すげえ圧だ」
「魔法力が……上がっていってますね」
魔法力を測れるセフィリアも、普段は気にしてないエレナもみんな驚いている。
あたしもよく分からないけど、なんか背筋ぞくぞくしっぱなしだし、腕とか鳥肌たっちゃってる。
「トリニティが本気を出すのも久しぶりだね」
たしか、魔法力700万だったっけ。
ひええ、エレナと百合バーストした時よりも遥かに高い魔法力をたったひとりで!
でも、これなら闇の核を破壊出来るかも?




