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28-8

 青く澄んだ空、枯れた大地に日が降り注ぐ。


「そんな馬鹿な! なんで無事なんだよ!!」

 だけど、黒い太陽は未だにその漆黒の輝きを失わない。

 まるでそこだけ切り抜きされたかのように黒くなっている……。


「本当に何も知らないんだな」

「はぁ? 何なんだよ!」

 エレナが放った火の魔法はたしかに効いていた。

 なのに……どうして……。


「もしかして、誘爆……でしょうか」

「気づいたみたいだな」

「誘爆って……、俺の魔法力に反応して……なのか?」

「ええ」

「推測ですが、闇の核は魔法力の凝縮した形で、それがエレナさんの炎の魔法に反応して爆発を引き起こしたのだと思います」

 そんな!

 それじゃあ、エレナがやった事は……無駄だったの?


「その通りだ。まあ、爆発したおかげで一時的だけど闇は晴れた。少しは戦いやすくなったけどな」

 たったそれだけ……。

 うぅ、なんか完全に足手まといだ……。


「なあ、いい加減教えろよ」

「?」

「あれは何なんだ? 俺らはギルドから何も聞いてねえんだぞ!」

 よくよく考えたら、あたしたちは何も知らない。

 今回の闇掃討戦だって、闇の核を破壊するって事だけ。

 実際にそれがどういうものなのかも分からない。


「……闇の核は、闇を生み出す母体そのものだ」

 ミレーユは軽くため息をついて闇の核を横目で見た後、話し始めた。


「だがその正体は、かつて闇を生み出した者の成れの果て……」

 そういえば、闇が出てきた原因もよく分かってない。

 えっと、元々この世界は悪い魔王が支配していて、勇者とその仲間が魔王を倒して世界を救って……。

 それから闇が発生したんだっけか。

 ……その間に、何があったんだろう?


「その者は、世界を救った。だがどういう心変わりをしたのか知らないが、闇も生み出した」

 え?

 世界を救った?

 それって、じゃあ……。


「かつての勇者だ」

 う、うそ。

 勇者だなんて!


 え、なんで?

 世界救ったんだよね?

 救った世界をまた滅ぼそうとするの?


「私も独自で調べただけで、ギルドにも王立魔法研究所にも伝えていない。この話を知ってるのは私達のチームと、ここに居る奴らだけだが……」

「やはりそちらも調べていたのですね」

「レティシアも察してたようだな」

「ええ。ですがこれで今まで推測の域を超えないと思っていた持論が、確信へ変わりましたよ」

 どうやら、その情報は学校で習ったり、他人から聞いたんじゃない。

 みんな疑問に思っていて、独自で調べていたんだ……。


「ちょ、ちょっと待てよ……。じゃあなんだ? さっき闇の核から出てきた魔法少女って……」

「闇になる前の勇者の姿だろうな」

 あたしの衣装のデザインと同じ魔法少女が……勇者?

 たまたま……偶然……?

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