28-7
「やったかも!」
「やりましたね」
なんか今までだと、弾かれたり当たらなかったりしてたのに。
今回はめっちゃ燃えてるし、闇の核も炎に包まれてる!
見た目手ごたえある感じ出てるよこれ!
「……ふむ」
そんな状況とは逆に、ミレーユとレティシアの表情はどこか暗い。
な、なんでよ!
あー、さては手柄を横取りされたとか思ってるね?
「構えて、魔法力を集中して障壁を張らないと死ぬよ」
えっ、何を言ってるの?
もう終わったんじゃ……?
そう思っていた時だった。
……ん?
闇の核が真っ赤に……?
「!!!」
その瞬間、闇の核が破裂して大爆発を引き起こした。
熱と衝撃、漆黒の閃光があたしたちをあっという間に飲みこんでしまい……。
…………。
…………。
…………。
…………。
「う、くぅ……」
あ、危なかった。
ミレーユの指示で勇者の盾を発動していなかったら、間違いなく吹き飛ばされていたよ……。
「あぶねえ……、まさか最後にあんな攻撃をしてくるなんてな。ゆき、ありがとうな」
「助かりました、ありがとうございます」
あたしがちょうど盾になるようにしたのがよかったかも。
ふたりとも、大したけがはなさそう。
「ふたりも無事で良かった、あたしもこれで役に……」
うぅ、防御する時に魔法力使いすぎちゃったからかな。
足に力が入らないね、ふらふらするね……。
「ゆき!」
「ゆきさん!」
「ちょ、ちょっとしんどいかも……あはは」
「今治療しますからね」
セフィリアの手、あったかいなぁ。
膝枕されるや、ふともも柔らかくて気持ちいい。
あたしは薄目をあけたまま、周囲の景色を見回した。
闇が晴れている。
これって、闇の核を破壊出来たって事なんだよね。
他のチームの人も、無事みたい。
ふたりやられちゃったけども、作戦成功してよかった。
本当に……。
…………。
…………。
えっ。
「ね、ねえ……、あれって」
「どうかしましたか?」
「なんだ?」
あたしは重い手をあげて指さしたその先には。
「お、おい……まじか……」
先ほどエレナが攻撃して、破壊したと思われた闇の核があった。




