28-6
「残ったのはこちらだと私とトリニティ、プリズムはレティシアと結界生成役かな」
仲間が一瞬のうちにふたりも倒された。
しかも相手の姿がほんの少しぶれただけ。
そんなわけのわからない状態なのに、ミレーユは冷静だ。
「行こう」
えっ。
もうふたりもやられちゃったんだよ?
それなのに行こうって、しかも相手が何やったかもわからないのに??
げ、また闇の核の魔法少女の姿がぶれた!
くるよ!!
……と思ったけど。
「…………」
「…………」
ゴシックのメンバーであるトリニティは、魔法少女の攻撃を自らの武器で受け止めていたのだ。
「すげえ、あれが見えたのか?」
「私もまるで何が何だが……」
攻撃を防いだって事は、あの何が何だがわからない攻撃が見えるんだよね?
しかもこのトリニティという魔法少女
長い黒髪で前髪ぱっつん姫カットだし、衣装も胸に十字架のついた、ドロワーズが見えるくらい丈の短い黒いワンピースに姫袖という、他の魔法少女と比べればシンプルなデザインなんだけども……。
なんと武器が持ってる人よりも遥かに大きい巨大な十字架!
でたよ、女の子×巨大武器の組み合わせ!
いやぁ、実際見るとギャップすごいね!
って今はそこに興奮している場合じゃない。
あんな巨大な武器でよく受け止めたね……。
さすが廃人チームのメンバー。
「ミレーユ、ここは余に任せろ」
「わかった」
しかもひとりでどうにかしようとするなんて!
一人称が余とか、かっこいいかも……。
「これで闇の核ががら空きになったな! 今のうちに攻撃するぞ!」
あたしが感心している中。
エレナは杖を両手で持って目を閉じる。
すると、杖の先端からはみるみると光が集まっていき……。
「やめろ!! 今はまだ――」
「いけええ!!!」
杖を大きく振るい、集まった光を闇の核めがけて解き放った!
光は炎へと変わり、闇の核へぶつかると火柱となって全体を飲みこんだ!




