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4-2

「むかしむかし、この世界は魔王によって支配されていました。その魔王は人々を虐げ、命すらも意のままにしてきました」

 なんだろう、ファンタジーでありがち展開だ……。


「ですがある時、その魔王の圧政に立ち向かおうとする勇者が現れました。勇者は仲間である魔法使い、戦士、僧侶を連れて魔王討伐へと向かったのです」

 これもあるあるだよね。

 散々ゲームや小説で見た事あるもの。


「勇者の力は圧倒的で、武術においても、魔法力においても魔王を軽く凌駕しており、魔王討伐は時間の問題とも言われたくらいです」

「ほおほお」

「ですが魔王の策略により、勇者は不意を突かれて窮地に追い込まれてしまいます」

 おや、このままハッピーエンドにならないなんて意外な展開だね。

 魔王の策略ってなんだろ?


「それでも勇者は諦めませんでした。勇者自らの命と引き換えに魔王を討伐しようと試み、成功したのです」

 なるほど、この異世界はそんな過去があったんだね。

 いろいろ大変だったんだねぇ……。


 ってちょっと。

 それと魔法少女と何の関係があるの?


「あの」

「なんでしょうか」

「魔法少女とどう関わるのですか?」

「せっかちな人ですね。それはこれから話しますよ」

 怒られちゃった……。

 で、でも!

 あたしの命がかかっているんだよ!!

 よし、聞こうじゃないの……。


「魔王を討伐してから少しの時が流れた後、この世界に再び異変が起きたのです。突如現れた闇が、世界をみるみる侵食していったのです」

 なるほど、世界を覆う闇っていうのはそれだったのね。


「残された僧侶と戦士は新たに加わった仲間を引き連れ、その闇へ立ち向かいました」

 かつての勇者パーティならきっとやってくれるって期待もあったんだろうなぁ。

 あれ、魔法使いが居ないけどどうしたんだろ?


「ですが、闇を晴らす事は出来ませんでした」

 確かに、魔法少女じゃないと闇を晴らせないっていうのが正しいなら、まず間違いなく年齢でアウトだよねえ……。


「このままでは世界の全てが闇に覆われてしまう。誰もが絶望しましたよ、闇に飲みこまれたものが帰ってくることはありませんでしたからね」

 ひええ、闇ってそんなに危険だったの。

 やっぱ駄目だ。

 魔法力SSランクで、俺TUEEEEEE出来て、またやっちゃいました?とかとぼけながら敵をやっつけられれば別だけども。

 今の魔法の使えないあたしじゃ絶対に戦えない、魔法少女なんて務まらないよ。

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