28-5
闇の核。
それはまるで生きているかのように、冷たく暗く圧倒的な存在感を出している。
まさに、黒い太陽というべき……なのかもしれない。
ね、ねえ。
これを壊せば、闇は晴れるん……だよね?
「さて、情報だとそろそろだと思うけど」
「ああ、そうだね」
えっ。
そろそろ?
どういう事なんだろう……。
何かが起こる?
そうやってあたしは、漆黒の存在に威圧されている中。
「きた」
「来るぞ」
ちょっと!
何が来るの?
わからないよ!
「えっ? 人間……?」
「お、おい、どういう事だよ」
「まあ……、これは……」
うそ、闇の核から人が出てきた……?
しかも今までの人型の闇じゃない、正真正銘の人間だよ?
というか、あの格好から察して……魔法少女!?
闇の核から突如現れた魔法少女。
桃色のロングワンピースには、胸の部分と肩の部分にはフリルがついていて、腰布には星の形をした飾りがあしらわれている……って!!
これって色やスカート丈こそ違えど、あたしと同じ衣装じゃん!!
なんで……?
で、でも来ている子はあたしと違う。
衣装と同じ桃色の髪に、どこか幼く愛らしい感じがする。
実際身長もあたしより低そうだし……。
「!!!」
「大丈夫?」
「ひとりやられた」
いやいや分析している場合じゃない。
闇の核から出てきた魔法少女の姿がぶれたと思ったら、プリズムのチームメンバーのひとりいなくなっちゃったよ!
「な、なにがいったい……?」
「うるさいぞ! 敵に集中しろ!! このままでは死――」
ひっ。
またひとりいなくなった!!
今度はゴシックのメンバーだ。
な、なにがどうなってるの。
「まさか、危険度A級のさらに上の?」
え?
セフィリア、それってもしかして……。
「なんだ、ギルド嬢から聞いてなかったのか? 闇の核は、脅威が迫った時に強大な力となって襲ってくる」
ちょ、ちょっとミレーユ!!
全然そんなの聞いてないよ!!!
「ふむ、チームで一人ずつやられた。さがってて、なるべく固まった状態で」
何をされたのかまるで分からない。
でもミレーユは何もかも悟ったかのように、姿を消しながら闇の核から出てきた魔法少女へと向かっていく。
もう、いったいなんなの……。
わけわかんないよ……。




