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28-4

「駄目だな、ありゃ本当に聞こえてねえ」

 えぇ……。

 いつもならこんな態度取られたら真っ先に食い掛りそうなのに、諦めている。


 それでもだよ!

 なんなの!


「仕方ありませんね……。とりあえずはついて行きましょう」

「そんな! でもっ!!」

「ゆきさん、堪えてください」

「救えたのに死んじゃったんだよ! 何であんな人殺しなんかに!!」

 あたしが力を使えば、あの闇は人間に戻ってた!

 行方不明だった人が1人でも帰ってくる!

 その人が元の生活に戻れるだけじゃない、その人を待ってる人も喜ぶ!!

 それを全部、あの廃人たちは奪ったんだよ?


 あの人たちは間違っている!

 だったらどうして、そんな人らについて行かないといけないの?

 弔いもしないし、まるで蟻を踏むくらいの感覚で人の命を!!!


「多分……、いやまず間違いなく私達がはぐれても、あの方々は私達を助けないでしょう」

「そ、そうだとしても!」

「今はあの方々に頼るしかないのです」

 セフィリアはお人好しすぎるよ!!

 こんなのありえない!

 こうなったら戻って魔法少女ギルドに訴えて……。


「だからどうか……、どうか……!」

 セフィリアの手が、震えている?

 表情はいつも通り穏やかなのに……。


 あたしに我慢しろって事なの?


「うん……、わかったよ」

「分かっていただきありがとうございます」

 わかったよ。

 確かにここではぐれちゃったら、あたしたちも無事じゃすまない。

 それで闇に取り込まれたら、あんな心無い連中にやっつけられちゃうかもしれない。

 そんなの許せないよね。


 あたしは、大きく息を吸ってはくと、廃人チームの後を追った。



 それからしばらく歩いた後。


「ここか」

「ここだな」

「まぁ、割と早く着いたな」

 ついに到着してしまった。

 闇を生み出す核のある場所……。


 なんかこう、人ひとりが入るくらいの大きさの真っ黒な球体が宙に浮いてて、太陽の日蝕ように輪郭からもやもやと闇が揺らめいでる。

 うぅ。

 なんか背筋がぞくぞくしてきた。

 やな雰囲気……。

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