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あれ?
そういえば……。
「あれだけ高ランクなら、アリスも居るかなって思ってたけど、意外といなかったね」
「あー、確かにそうだな」
ランク1魔法少女、アリスじゃない?
というか、ゴシックのメンバー全員違ってたような?
「学園の首席卒は大抵、親衛隊配属になりますからね」
「なんだよ、折角強いのに前線に出ないのか」
「ええ。親衛隊配属者が功績をあげるのは難しいので、ランク最上位にアリスは居ない……という感じなのでしょうか」
「ほほー」
なるほどなぁ。
セフィリアの言う通りなら、親衛隊で功績あげるって都が攻められてて王族が危機に瀕しているのを救うって事だもんね。
そんなたわいもない会話をしていた時。
「失礼します」
お?
扉から兵士の人が来た。
「聖百合教の方々ですね。本日は集まっていただきありがとうございます」
華奢な体つきを革鎧で纏う、ちょっと大人っぽい女の兵士さんだ。
……前々から気になってるんだけど、魔法少女に関わってくる人らって女の人多いような?
「早速ですが、今回の作戦について話をしますが――」
「あーその前に」
「はい?」
「俺らも門通れるようにしてくれよ、あれじゃ不便だ」
そうだよ!
次に出たらまた他のチームと便乗ないと入れないよ!
って、それいいのかな……。
「おや? 特に何もしていないですよ?」
「いや、ランク低い魔法少女通さないようになってるだろ」
「確かに20以上じゃないと通れませんが、ここに配属されるという事は、あなた方も相応のランクなのではないでしょうか?」
「俺とゆきは70代、一番高いセフィリアでも30代だ」
「えっ?」
「えっ?」
おおっと、これはもしかして……。
「ここは最も強力な闇が襲ってくる、第4闇討伐拠点。通称死地ですよ? ランクの低い魔法少女はそもそも配属されないはずなのに……」
やっぱり勘違いされている!!
廃人チームの言う通り、受付のお姉さん何も言ってないー!
というかちょっと、死地ってどういうことなの。
あぁ、4と死をかけているわけだね?
……いやいやそうじゃあなくてえ!!!
「すみません、ちょっとギルドに確認とってきます」
なんか申し訳なさそうにいそいそと兵士さん去って行っちゃったよ……。
「ね、ねえ、あたしたち大丈夫かな……?」
「おかしいと思ってたんだよなー、ゴシックだっけ? プリズムだっけ? 何で高ランクばかりなんだってな」
「あらあら……、そうですねえ」
な、なんか一気に不安になってきたぞ!
だ、大丈夫かな?




