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そういえば、セフィリアも言ってたっけか。
”魔法力だけで強さが決まるわけじゃない”みたいな事。
うーん、確かに姿消せるなら魔法力関係ないもんなぁ。
あたしにも出来たらいいけども……。
光の屈折?だっけかな。
…………。
うん、無理そうだ。
「500かー、俺よりも低いのにランク1はすげーな」
「あぁごめん。普段から省いているから癖で言っちゃった、正確には500万だよ」
「ご、ごひゃくまん!?」
「別にそこまで凄くないよ。プリズムのレティシアは680とかだし、同じチームのトリニティは700超えたとか言ってたかな」
「ひ、ひぇ……」
単位省いてただけだったなんて!
あたしの約10倍……。
やっぱ別世界の住人だった。
「…………」
「…………」
なんか気まずい雰囲気に戻っちゃったよ。
エレナも呆然としちゃって会話続かないし……。
うーんうーん。
というわけで、無言のまま廊下を歩いていき……。
今まで石造りも無骨な感じから、高そうな絨毯が敷かれていたり、金縁の家具が置いてあったり、歴代アリスの肖像画がかけられてたりしている、いかにも客間っぽいところに案内された。
「ここを使って。時間が経てば兵士が来るから」
「ありがとうございます」
「はーい、じゃあね」
ミレーユは素っ気無くそう言って、早々に部屋から出て行ってしまった。
「しかし500万はすげーな。同じ魔法少女とは思えないな」
エレナはそう言いつつ、ソファーにだらしなく横になった。
足を放り投げた時に一瞬おぱんつ見えたけども、たぶん本人は気にしてない。
「ふふ、そうですね」
対してセフィリアは行儀よく、長いスカートにしわが出来ないように座った。
うーん、優雅だ……。
「でもこれなら、こんかいの掃討戦も楽かも?」
ふたりとも座ったし、あたしも座ろう。
ちょうどもうひとつだけ椅子あいてたや。
「そうだなー、多分俺らの出番ないかもな」
「かもしれませんねえ」
「セフィリアは回復出来るし、大丈夫だろ?」
「プリズムのレティシアさんも居ますし、他にもヒーラーの方は居るようですからね」
うーん。
もしもそうなら、どうしてあたしたちが呼ばれたんだろう?
明らかに戦力過多というとか、やりすぎな感じがするけども……。




